星、ビブグルマン、セレクテッドレストランが発表される年に一度のミシュランガイドセレモニーに先駆け、ミシュランガイド東京へ新しく追加された8軒のレストランをご紹介します。
2025年2月
人の縁に感謝する「赤坂 島袋」は銀座しのはらの門弟。「鮨 田中」は天草の魚で郷里の豊かさを広める。「鮨 大矢」は海外の経験から現代のすしを切り拓く。「旧雨」は薬膳が体に優しい中国料理。「エーヴィック」はオーストリアの伝統を進化させる。「ル・ジャルダン・ド・カモ」はモンペリエの師匠との友好から南仏料理を振舞う。鮪の仲卸が営む「フラグメント 麻布十番」は魚介のルートを生かすイタリアン。「野田」は和洋の食材と手法で斬新な料理を創り出す。

ル・ジャルダン・ド・カモ/Le Jardin de Kamo(フランス料理)
地中海を彷彿させるという理由から瀬戸内の食材を好む。柑橘、ハーブ、スパイスと魚介を合わせ洗練させる。
野田/Noda(現代風料理)
フランス料理の経験から素材を重ねる料理を生み出す。ペアリングを推奨し、一品ごとにマリアージュさせる。
鮨 大矢/Sushi Oya(寿司)
つまみの定番は、あん肝煮と蒸し鮑。すし種は淡い味から濃い味へと流れ、白と赤の酢飯を握り分ける。
鮨 田中/Sushi Tanaka(寿司)
産地の異なる米を別々に炊き、それを合わせ酢飯に。どの種にも合うようにと、赤酢と米酢を合わせる。
赤坂 島袋/Akasaka Shimabukuro(日本料理)
椀物の吸い地は鮪節をその場で削ってだしを引く。壁にかかる「ご縁」の書が示すよう誠心誠意を尽くす。
旧雨/Kyuu(中国料理)
中国伝統医学の薬膳師の資格から食養生を実践。養生スープは乾物、魚介、肉の旨味と季節の食材を合わす。
フラグメント 麻布十番/fragment Azabujuban(イタリア料理)
江戸前ならぬ“全国前イタリアン”がコンセプト。昼は選べるパスタランチ、夜はアラカルトを充実させる。

菊乃井 鮨 青/Kikunoi Sushi Ao(寿司)
「菊乃井」が開いたすし割烹店。先付、造り、椀物の流れに握りを組み込み、料理屋らしい工夫を凝らす。
下鴨 いち満/Shimogamo Ichima(寿司)
見た目に可愛らしい手毬寿司。茶巾で丸めず酢飯がほどけるよう優しく握る。何から味わうか迷うのも楽しさ。
鶏匠 催/Torisho sai(焼鳥)
鶏肉は熟成庫で寝かせ、旨みを凝縮させる。その味わいが最も顕著に表れる、抱き身の一串から供す。
料理屋 かねみつ/Ryoriya Kanemitsu(日本料理)
修業先で培ったのは食材への敬意。魚介は炭火で焼き野菜をあしらう。素朴に見せながら料理と想いを届ける。
エット/Etto(イタリア料理)
アンティパストミストは、季節の葉を飾り八寸を意識した盛り付け。塩や酸味の利いた小皿料理5種をのせる。
リストランテ ドーノ/ristorante DONO(イタリア料理)
畑を耕し、野菜を育て、野山で山菜を摘む。地域の食文化を守り、イタリアで学んだ精神を通わせる。
いそやま/Isoyama(日本料理)
鯖きずし、煮蛸、鴨ロースは居酒屋で学んだ品。焼魚に酒盗やこのわたの餡を合わせ、酒との相性を心掛ける。
方寸 長島/Hosun Nagashima(日本料理)
椀物の吸い地は真昆布から旨みを引く。魚の炭火焼はだしの餡を合わす。だしを要に食材との調和に気を配る。

ミルパ/milpa(メキシコ料理)
母国の伝統に敬意を抱きつつ進化を図る。トウモロコシ、カカオ、唐辛子を取り寄せ、薪火で焼くのは伝統。
天ぷら 朔月/Tempura Sakugetsu(天ぷら)
職人は自らの考えを持ち、天ぷらそのものに比重を置く。天紙を敷かず、油切れの技術を見せるのも新たな試み。
天ぷら ふか名/Tempura Fukana(天ぷら)
天種を薄衣で包み香ばしく揚げる。中でもウニと海苔、和牛フィレ肉の大葉包みは自信作。
旬膳 季らく/Shunzen Kiraku(日本料理)
心掛けるのは共感。好みをうかがい、食べ手の味覚に合わせるのが料理人の本分という師の教えを守る。
ましの軒/Mashino Ken(中国料理)
香港料理をきっかけに中華の奥深さに魅了された。料理の由来を説明する姿から熱意が伝わる。
たけだ/Takeda(日本料理)
徳島の藍染暖簾で出身地を明かす。そば米汁は郷土料理。半田そうめんで作るラーメンも欠かさない。