2025年3月27日、「ミシュランガイド京都・大阪2025」の新たなセレクションが発表されました。インスペクターは、京都・大阪で体験した数々のダイニングエクスペリエンスから特に記憶に残る料理を選びました。
インスペクターから共有されたリストは、その季節だからこそ味わえる一品、伝統を受け継いだ料理、シェフの経験や感性から生まれたものなど、バラエティに富むセレクションとなっています。
「中とろの握り」
菊乃井 鮨 青/Kikunoi Sushi Aoi 京都
中とろに細やかな隠し包丁を入れ、舌に触れる旨みの面積を増やす。日本料理の包丁技がまぐろの味わいを深めた。魯山人の器が握りを引き立て、「器は料理の着物」という言葉を体現している。
「大穴子 プロシュート」
しろ/shiro 京都
イタリアの揚げパン「ニョッコフリット」を穴子でアレンジ。肉厚な穴子を衣揚げし、極薄の生ハムを添える。穴子の熱で生ハムの脂が溶け一体感が生まれる。島根の食材とイタリアの食文化が交わる。
「ズワイ蟹のダンプリング、セロリ‐レモン茶」
ジャン-ジョルジュ アット ザ シンモンゼン/Jean-Georges at The Shinmonzen 京都
ラヴィオリでなく、ダンプリング(餃子)と呼ぶのがユニーク。ズワイ蟹の甘み、セロリとレモングラスの爽やかなブイヨンが調和する。アジアとヨーロッパの食文化を生地で包み込む。
「和牛の焼物」
高台寺 十牛庵/Kodaiji Jugyuan 京都
大徳寺納豆と黒オリーブをまとわせた和牛の焼物。豪快に削った栗が実りの秋を知らせる。和洋の素材を重ね、独自の味わい生み出す。現代作家の器に盛り付け、日本料理を前進させる。
「湯葉のスープ」
宮脇/Miyawak 京都
西洋アンティークのグラスが涼しげな夏の口直し。なめらかなすり流しは、豆乳の風味とだしの旨みが一体となり、マンゴーで酸味を補う。素材の甘みを引き立て、独自の味わいを生み出している。
「ハマチのカルパッチョと魚のソース、とうもろこし生地と唐辛子ペーストのトラユーダ」
ミルパ/milpa 大阪
青いボリジの花が鮮やかな魚のカルパッチョと柑橘のグラニテ。「虎のミルク」を意味するソースは魚と柑橘汁を撹拌させる。メキシコ風ピッツァと呼ばれるトラユーダはオアハカ州の郷土食。メキシコ食文化の奥深さを知れる。
「鱧と松茸の煮物椀」
西天満 市がや/Nishitemma Ichigaya 大阪
名残の鱧と走りの松茸が出会う煮物椀。吸い地はコクと旨みを求め、真昆布の旨みを効かせている。鱧は骨切り技術が高く、松茸は指で割くため香りが立つ。葛寄せした銀杏豆腐も秋の香り。
「じゃが芋のニョッキとトリュフ」
ルーツ ナカノシマ/Rooots Nakanoshima 大阪
「キタアカリ」じゃが芋のニョッキは、もっちりとした芋の食感を生かしているのが素晴らしい。トリュフバターと卵黄ソースの相性も良く、削りたてのパルミジャーノレッジャーノとトリュフが香る。
「太刀魚の炭火焼に百合根の裏ごし」
片町 川口/Katamachi Kawaguchi 大阪
高級食材に頼らず、季節の野菜に工夫を凝らすのが身上。太刀魚は炭火で焼き、百合根の裏ごしをだしでのばす。蕗の胡麻和えをあしらい、春の訪れを感じさせてくれる一品。
「渡り蟹と焼き松茸」
老松 ひさ乃/Oimatsu Hisano 大阪
渡り蟹のほぐし身に焼き松茸を重ねた一品。ポン酢には松茸のエキスも含まれる。渡り蟹は、秋に岸和田で催される「だんじり祭り」と縁深い食材。季節の献立に大阪文化を織り込む。
Top Image: Ⓒ Jean-Georges at The Shinmonzen
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