おいしいものを食べたい。買い物を楽しみたい。新たな刺激がほしい。リラックスした時間を過ごしたい。旅の目的は人それぞれ。東京は、それら全てを叶えられる場所といっても過言ではありません。
これを読めば、6つのエリアの特徴とミシュランおすすめの「食べる」「泊まる」が分かります。気になるレストランやホテルはお気に入りに登録を。
目的に応じた拠点選びは快適な旅への第一歩。さぁ一緒に東京を再発見しましょう。
1. 渋谷・代々木エリア
若者を中心としたカルチャーやトレンドの発信地である渋谷。その地に立つだけで、パワフルなエネルギーを感じられる。
JR渋谷駅直結、地上299mに位置するSHIBUYA SKYから東京のランドスケープを見渡す。
にぎやかなエリアで渋谷カルチャーを体感したいなら、ハチ公前からセンター街へ。
新しい渋谷を感じるなら、スクランブルスクエアや渋谷ストリーム。そこから代官山を目指すのも良い。
原宿方面へ歩くならMIYASHITA PARKや渋谷横丁を抜け、ハラカドの地下にある小杉湯原宿で銭湯文化を体験してみては。
時間がある時は、コーヒー片手に代々木公園を目指して散策を。街の雰囲気がガラリと変わり、都内とは思えない程の緑に心安らぐ。
泊まる
TRUNK (HOTEL) YOYOGI PARK
宿泊者のみが入館を許される都会の隠れたオアシス。くつろぎをテーマに掲げるがゆえ。ルーフトップにあるプールは通年楽しむことができ、代々木公園を望む特等席。隣接するノルウェーのカフェFUGLENでコーヒーをテイクアウトし、ゆったりと過ごしたい。
Shibuya Stream Hotel
JR渋谷駅から直通のため、観光の拠点にぴったり。階下には朝から営業するカフェや深夜まで営業するレストランがあり、使い勝手が良い。落ち着いた雰囲気のロビーは海外のライブラリーカフェにいるかのよう。一日外で活動したあと、バーで一息ついて一日を締めくくりたい。食べる
代官山 いっさい喝采/Daikanyama Issai Kassai
渋谷駅から徒歩圏内、創作性のある和食を楽しめる居酒屋。明かりを落とした店内は落ち着いた雰囲気。着物姿の女将のもてなしに日本文化も感じられる。かつお食堂/Katsuo Shokudo
愛情込めて削られた鰹節がたっぷりとのったご飯を目指し、多くの人が訪れる人気店。売り切れたら営業終了。お腹を空かせて朝から並びたい。パス/PATH
通称「奥渋」からさらに代々木八幡駅方面を奥へ、その通りを歩いていると、どこからともなく甘く香ばしい香りが漂う。その香りと入店を待つ人々が目印。朝食からランチまで通し営業。おすすめはダッチパンケーキ 生ハムとブッラータ。温冷、甘さと塩気が心地よい 。京料理 阿うん/Kyoryori Aun
渋谷にいながら、京都のだし文化を味わえる割烹店。カウンターのみの店内で供されるのはコース料理のみ。先付から炊き込みご飯まで京都を感じることができる。2. 丸の内・八重洲エリア
日本を代表するターミナル駅、東京駅を境とし東西に広がる丸の内と八重洲のエリア。
皇居外苑の芝生でランナーを眺めながらコーヒーブレイクをしたり、食事の前や後は丸の内仲通りを散策したりするのがおすすめ。石畳が敷かれ、緑生い茂る通りは思わず深呼吸したくなる。
八重洲にはシンボルタワーともいえる東京ミッドタウン八重洲が。
移り行く東京の時代を感じながら日本橋の方へ足を向けるのもよいだろう。
泊まる
ブルガリ ホテル 東京
東京ミッドタウン八重洲の上層階を占めるブルガリホテル 東京。イタリアローマのハイジュエリーブランドがコンテンポラリーなライフスタイルを提案する。ミシュラン一つ星イタリアンレストラン、「イル・リストランテ・ニコ・ロミート」で食事をとり、上質なステイを。パレスホテル東京
日本の象徴でもある皇居の外苑に位置する「パレスホテル東京」。バルコニー付きの部屋は都内では珍しい。ミシュラン星付き店の「中国飯店 琥珀宮」は、香港出身のシェフによる広東料理。同じく一つ星の「エステール 」では、アラン・デュカス監修のフランス料理を味わえる。食べる
アッパー/THE UPPER
丸の内のビル群に囲まれた東京ならではの雰囲気を楽しめる。天気が良い日は開放感あるルーフトップテラスを。身近なフランス料理をコースでもアラカルトでも味わえる。京橋 てんぷら 深町/Kyobashi Tempura Fukamachi
熟練の職人が揚げる天ぷらを味わえる店。脇を固めるのは二人の息子。父の足跡を辿るように江戸前の技を受け継いでいる。ヤウメイ/YAUMAY
中国茶と飲茶文化を満喫できるロンドン発のチャイニーズレストラン。赤い外観から一転、クラシカルなダイニングはまさに西洋と香港が融合する空間。丸の内仲通りに面している。3. 浅草エリア
言わずと知れた観光地、浅草。浅草寺周辺は昼夜問わず多くの人で賑わう。
土産物屋が軒を連ね、食べ歩きもできる仲見世通り。
おすすめは人力車に乗っての浅草探求。腹掛け姿の車夫が、観光名所や街の逸話などを交えながら案内し、ベストスポットで写真を撮ってくれる。
合羽橋はキッチンツールや食器などがそろう商店街。
かつての小高い丘に立つ待乳山聖天は、緑に包まれた穴場スポット。縁結びなら招き猫で有名な今戸神社へ。どちらも浅草名所七福神の神社。
成田空港、羽田空港まで直通列車が運行しており、どちらの空港へも一時間ほどで行けるため、旅の最初や最後におすすめ。
泊まる
浅草ビューホテル アネックス 六区
浅草の中心に位置し、観光の拠点にぴったりなホテル。浅草に宿泊した人の特権である浅草寺周辺の朝散歩がおすすめ。人出が少ない朝は絶好のシャッターチャンス。客室はモダンなタイプと靴を脱ぎ畳でくつろげるタイプがある。食べる
浅草 永見/Asakusa Nagami
奥浅草にある割烹店。京都の二つ星店、菊乃井 露庵出身の店主が腕を振る。揚げ物の衣が雷おこしなのは浅草ならでは。気さくな会話で場を和ませ、自ら点てる薄茶で献立を締めくくる。ノウラ/noura
本店である、二つ星フレンチオマージュ“の裏”にあるビストロ。鴨もも肉のコンフィやオニオングラタンスープなどのオーソドックスなビストロ料理を楽しめる。 台湾風のルーロー飯は賄い料理から生まれた。ハーフサイズもあり、コースを食べたあとに追加もできる。おにぎり 浅草 宿六/Onigiri Asakusa Yadoroku
カウンターとテーブルの小さなおにぎり専門店。その味を求め連日行列をなす。店主の軽快なトークと手さばきに見惚れていると、あっという間に目の前におにぎりが表れる。写真撮影もそこそこに、できたてを頬張りたい。鮓 かね庄/Sushi Kanesho
「古きをたずねて新しきを知る」の精神を大切にするすし職人の店。昔ながらのすしを心掛け、幾度も酢飯を変えながら進化を試みた。すしのみならず所作も美しい。昼は握りのみ。観光と一緒に計画を立てて訪れたい。4. 六本木・麻布台 エリア
大規模な商業施設と共にアートを体感できるエリア。
麻布台ヒルズには、チームラボが手掛けるデジタルアートミュージアムや、麻布台ヒルズギャラリー。
東京ミッドタウンに隣接する21_21 DESIGN SIGHTでは、その時々のエキシビションが楽しめる。
六本木ヒルズには森美術館。それ以外にも国立新美術館、根津美術館など一日では回り切れない程のアートに溢れる。
また大きな商業施設は駅直結のため天候を気にせず過ごすことができるのもポイント。ショッピングにもカフェでの休憩にも選択肢が広い。夜とは違った港区の楽しみ方を見つけてみては。
食べる
入鹿 TOKYO/IRUCA TOKYO
ザ・リッツ・カールトン東京のすぐそばにある人気ラーメン店。初めてなら看板メニューの「ポルチーニ醤油らぁ麺」がおすすめ 。通し営業のため、夕方早い時間なら並ばずに入れることも。六本木 璃庵/ROPPONGI RIAN
好きなものを好きなだけがコンセプトの割烹店。木箱に並べた魚介、カウンターに並ぶ野菜を見て食材を選べ、好みの調理法に応じてくれる。魚介、野菜、肉など品書きは多彩。野田岩 麻布飯倉本店/Nodaiwa Azabu Iikura Honten
江戸の味、うなぎを食べるなら野田岩へ。二百年以上の歴史があり、パリにも支店を構える。伝統的な江戸焼鰻を味わうことができる。シリーズ/Series
広東料理をベースに、フレンチ、イタリアン、和食、インドネシアン からインスピレーションを受け、融合させたモダンチャイニーズ。ジャヌ東京から徒歩数分と利便性がよく、ホテル滞在とのセットもおすすめ。5. 銀座エリア
今も昔も東京の最先端のショッピングエリアであり続ける銀座。三越や松屋といった昔からある百貨店や、GINZA SIXのような新しい施設も。
土日、祝日の正午から夕方まで、中央通りが歩行者天国になり、車の乗り入れがない。道路に置かれた椅子で休憩しながら道行く人々をみるのも楽しい。
日比谷公園の方に足を延ばすもよし、有楽町を抜け丸の内方面へ歩くのも気持ちよい。そのまま中央通りを進み日本橋を訪ねるもよし。新橋の高架下、裏コリドー街にも興味深い店が立ち並ぶ。
泊まる
東京エディション銀座
銀座で食べて、銀座で寝る。そのような新しい選択肢を与えてくれたホテル。隈研吾が手掛けたモダンで日本を感じるデザインが、銀座の街に新しい風を吹かせる。天気の良い日は、ルーフトップバーでカクテル片手に銀座の空を感じるのも良いだろう。MUJI HOTEL GINZA
グローバルに展開する無印良品が提案する“ちょうどよいホテル”。ちょうどいい価格で、ちょうどいい施設、設備を備える。シンプルながらも心地よい空間は、旅先でしっかりと休み、英気を養うのにちょうどいい。気に入ったものがあれば階下の無印良品で買い物も。我が家に迎え入れる前にMUJI HOTELで一晩試すこともできる。銀座 四代目 髙橋屋/Ginza Yondaime TAKAHASHIYA
髙橋屋の魅力は何といってもコースで鰻を堪能できること。うな重だけでは伝わりきらない鰻の魅力をコースにのせて届ける。歌舞伎座のそばに位置するため、「歌舞伎と鰻」、江戸文化を共に楽しみたい。六雁/Mutsukari
野菜に力を入れた日本料理店。オープンキッチンの活気がさらに食欲を掻き立てるカウンター席。テーブル席、個室はモダンな和の空間で落ち着いて過ごせる。様々な利用用途に最適。バードランド/BIRD LAND
鶏のイラストがかわいい焼鳥屋。通常の串焼きに、レバーパテ、山椒焼、親子丼といった鶏料理を加えた鶏づくしのコースが楽しめる。ワインの種類が豊富なのも特徴。今宵はワインと鶏で銀座の夜を満喫したい。ぎんざ かつかみ/Ginza Katsukami
とんかつをコースで楽しめる人気店。ヒレ、ロース、肩ロースなど揚げたてを一切れずつ味わえる。食後はかき氷。揚げ物が続いた口内を爽やかにリセットしてくれる隠れた人気者。6. 日本橋エリア
1603年、江戸幕府開府と同時に完成した「日本橋」をシンボルに、日本経済の中心地とし栄えた日本橋エリア。日本橋にある「日本国道路元標」を起点に日本各地の距離が測られることも納得。
室町エリアのビル群の中にある福徳神社はぜひ訪れたいスポット。一歩足を踏み入れると不思議と凛とした空気に包まれる。
建築が好きなら、日本のウォール街と名を馳せた兜町まで足を延ばすとよいだろう。石造りの重厚感ある建物に、内装を一新しながらも、かつての面影を残すおしゃれなカフェやショップが軒を連ねる。
K5
日本橋兜町、東京証券取引所の向いにあるブティックホテル。かつては、渋沢栄一が設立した日本初となる銀行の分館だった建物。北欧のデザイナーによってモダンに生まれ変わった。客室には日本人デザイナーのハンドメイド家具も。スウェーデンと日本、両国のカルチャーが同居する心地よい空間。マンダリン オリエンタル 東京
東京メトロ銀座線三越前駅直結、日本橋三井タワーの上層階を占める。下町散策の拠点に最適なラグジュアリーホテル。ホテル内にある 中国料理センス、フランス料理シグネチャーで素晴らしい眺望を楽しみながら、時を過ごしたい。時間があれば、隣接する三井美術館で江戸時代よりも前の美術品や工芸品を見るのもよい。食べる
ネキ/Neki
K5から歩いてすぐのカジュアルフレンチ。酒粕や穴子などの和素材や、中東のスパイスも使い、オリジナリティあふれる料理が魅力。日本橋兜町の街に溶け込み、兜町の新章を盛り上げる。焼鳥 髙はし/Yakitori Takahashi
日本橋高島屋の裏手にあるコースで味わう焼鳥屋。有名店で修業した焼鳥職人が 銘柄鶏を炭火で焼き、巧みな火入れで楽しませる。天ぷら 浅沼/Tempura Asanuma
「原点回帰」と銘打ち 、江戸前天ぷらのコースを提供する店。生搾りの胡麻油で揚げた天ぷらは、空気を含ませた衣が香ばしい。江戸食文化の中心地である日本橋で味わうことに意味がある。Top Image: ⒸSean Pavone