世界では、地球環境の保護や持続可能な未来に向けた活動に注目が高まっています。ミシュランガイドは、料理の評価と共に、サステナブルな社会に向けて取り組む、料理人やレストランに光を当て「ミシュラングリーンスター」として紹介しています。
「ミシュランガイド東京 2022」では新たに8軒が加わり、計14軒の「ミシュラングリーンスター」を掲載。未来に向けたシェフやレストランの取り組みを紹介します。
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ファロ(一つ星/イタリア料理)
New ミシュラングリーンスター
能田耕太郎シェフの料理哲学は自然との調和。野菜を美しい料理に変えてサステナブルガストロノミーを表現する。ヴィーガンコースを供すのは、地球環境への負担が大きな畜産を減らすためでもある。(Photo by FARO)
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茶禅華(三つ星/中国料理)
New ミシュラングリーンスター
川田智也氏は枯渇する海産物への配慮、ジビエの活用、コンポストを導入するなど包括的なアプローチで環境に貢献。食の観点から、資源を守るサステナブルな活動をしている。(Photo by Sazenka)
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©Sazenka / 未利用魚を使用した「干焼魚」
傳(二つ星/日本料理)
New ミシュラングリーンスター
長谷川在佑氏は和食の基本である自然を尊ぶ心で、現代の料理環境と向き合い、自然環境に配慮する生産者と協働する。資材を再利用して店の内装や家具を設えるのも、“もったいない”という和の心の表れ。(Photo by Den)

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クローニー(二つ星/フランス料理)
New ミシュラングリーンスター春田理宏シェフは海の資源を守るため持続可能な魚介を選ぶ。食品ロスの観点から規格外の野菜や消費しきれない酒粕を使用。フェアトレード商品を優先し、廃材となる木屑で燻製するなど、レストラン全体でサステナビリティを実践。(Photo by Crony)

ヌー トウキョウ(一つ星/フランス料理)
New ミシュラングリーンスター
料理、内装、サービスのトータルでサステナビリティを実践。フードロスの削減、牛肉の不使用、海の持続性を考えた魚介の選択など様々な面から自然環境と向き合っている。

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マ・キュイジーヌ
(ビブグルマン/フランス料理)
New ミシュラングリーンスター
池尻綾介シェフはフランスで培った地産地消の理念を基に、徳島県の生産者とサステナビリティに取り組む。畑や漁港を訪れて地元食材の可能性を見出し、現地の小学生にはエシカル消費に関して伝えている。(Photo by Ma Cuisine)

ラ ペ(一つ星/フランス料理)
New ミシュラングリーンスター松本一平シェフは漁師や農家と連携し環境に配慮した食材を選んでいる。次世代のために豊かな食の資源を残したいという使命感によるもの。持続可能な未来を見据えたガストロノミーを展開している。

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ロオジエ(三つ星/フランス料理)
New ミシュラングリーンスター
シェフのオリヴィエ・シェニョン氏を中心に、レストラン全体でサステナビリティに取り組む。自然環境に配慮した食材の仕入れ、生産者との連携など、地球にも人にも安心安全な食を目指し実践している。(Photo by L'OSIER)
NARISAWA(二つ星/イノベーティブ)
シェフの言葉を引用しています。
❝「森と共に生きる」を私たちのテーマにし、自然環境の持続性や食の安全を料理で表現しています。毎年、過疎化が進む里山に訪れて植林や清掃を行うのは、山の生態系を守りながら調理するのが料理人の務めだと思うからです。❞


カンテサンス (三つ星/フランス料理)
シェフの言葉を引用しています。
❝海洋国である日本の水産資源が減少していることを危惧しています。持続可能な漁業を推進するため、保護活動を目的とした団体の代表を務めています。乱獲された稚魚は使わず、海のサステナビリティに貢献します。❞ (Photo by Quintessence )
シンシア (一つ星/フランス料理)
シェフの言葉を引用しています。
❝私たちは日本の水産資源の未来を考え、海の生態系や環境を守る活動や発信を行っています。店では釣りや刺し網漁で獲った魚介を仕入れ、小規模で持続的な漁業を行う生産者と関係を深めています。❞

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フロリレージュ (二つ星/フランス料理)
シェフの言葉を引用しています。
❝フードロスに着目し食の持続可能性に取り組んでいます。代表作の「サスティナビリティ、牛」は、経産牛を調理しガストロノミーと融合を図った一皿。捨てられてしまう食材の背景を料理に映し、新たな価値を生み出していきます。❞ (Photo by Florilège)
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ラチュレ (一つ星/フランス料理)
シェフの言葉を引用しています。
❝私たちのテーマは“自然との共存、共生”です。ジビエの尊い命は、料理へと昇華し無駄にしません。千葉で「ラチュレ農園」を始めました。環境へ負荷をかけずに栽培した野菜を余すことなく使います。料理を通じ持続可能性を伝えています。❞

レフェルヴェソンス (三つ星/フランス料理)
シェフの言葉を引用しています。
❝農家や漁師など食材の担い手や、自然との共生に向き合います。国産素材に特化するのは、生産者の持続性とフードマイレージ軽減のためです。絶滅が危惧される魚は使いません。薪火には間伐材を利用し、二酸化炭素の抑制と森林活性化に貢献しています。❞
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