活気付く東京は、バーシーンもエキサイティング。日本らしい伝統的なクラシックバーから最新のミクソロジーカクテルが楽しめるバーまで。
最近は特に、焼酎や日本酒、日本茶など、和の要素を取り入れたカクテルも増加中。日本で進化を遂げた、選りすぐりの東京の夜の乾杯スポット10選をご紹介。
ブルガリ バー/八重洲(ブルガリ ホテル 東京)
優美なモザイク画を背景にしたバーカウンターと、45階からの絶景が楽しめる広いテラスを持ち、イベント専用テラスでは最大100人収容のパーティーも可能なスケール感も魅力。クラフトマンシップをテーマに、日本食材を探求するために産地訪問も行う、アンドレア・ミナレッリさんのカクテルと、一つ星店イル・リストランテ ニコ・ロミートのニコ・ロミートシェフが監修するバースナックの相性も抜群。イタリアンエレガンスを感じるひとときを。
ヴェルテュ/大手町(フォーシーズンズホテル東京大手町)
カクテルの本場、イギリス育ちで世界的に高い評価を受けるバーテンダー、キース・モッツィさんのウィットに富んだ会話など、粋でエンタテイメント性のある場づくりも魅力の、遊びを知る大人のためのバー。カクテルにはパリのエスプリに日本のエッセンスを効かせている。童話「桃太郎」から着想を得たマンハッタン「宝」には、フランスのシャルトリューズや日本の電気ブランを使って。
Mixology Salon/銀座
ミクソロジスト・南雲主于三さんがオープンした、お茶をテーマにしたカクテルバー。味と香りの融合にも深い知見を持つ南雲さんのシグネチャーは6種類の「ティーテイル」。低アルコールのお茶カクテルをワイングラスに入れて提供、香りと余韻を楽しむ。時間の経過とともにヴェールをとるかのように表れる重層的な香味と繊細さは、今の時代に合う軽やかなカクテルの象徴だろう。
BAR HIGH FIVE/銀座
日本人バーテンダーの高い技術や所作は、業界でも「ジャパニーズバーテンディング」として一つのジャンルともなっており、世界から注目を集める。その一杯が味わえるのが、世界のカクテルコンペティションの審査員も務めるバーテンダー、上野秀嗣さんが率いるこちら。
3ピースシェイカーを使ったシェイクや流麗なステアは、まさに職人技。一杯目は、ぜひクラシックカクテルを楽しんでみて。
ST LOUIS BAR by KEI/銀座
フランスの老舗クリスタルブランド、サンルイと三つ星フレンチレストラン「Kei」小林圭さんとのコラボレーションで生まれたバー。グラスやシャンデリアなど、店内のガラス製品はすべてサンルイ製。サンルイがレシピを持つオリジナルカクテルの他、バーマネージャー、鈴木陸さんが江戸時代の歴史を紐解き生まれた焼酎と味醂のカクテル「モダン・本直し」など日本の味を表現したものも。屋外の日本庭園は必見。
Gold bar at EDITION/虎ノ門(東京エディション虎ノ門)
禁酒法時代以前のアメリカのどこかノスタルジックな雰囲気と、「二面性」をテーマに、ブラックライトを当てると裏メニューが浮かび上がる近未来的なメニューの対比が面白い。今世界で人気の「Izakaya」をテーマにしたつまみも楽しめる。海外でも活躍したバーディレクター齋藤秀幸さんが生み出すカクテルは、日本の酒も取り入れながら、どこか異国情緒を感じる仕上がり。
EUREKA!/西麻布
古代ギリシアで、アルキメデスが発明の糸口を見つけた時に叫んだ言葉「ユリーカ!」を冠したのは、日本酒業界でカリスマ的な人気を誇る千葉麻里絵さんの店。魅力は独創的なフードとのペアリング。どぶろくにブルーチーズ入りのハムカツを合わせるなど、これまでに知られていなかった日本酒の表情を引き出す。見つけた!を意味する店名どおり、新たな日本酒の楽しみ方を発見できる。
櫻井焙茶研究所/表参道
日本茶の様々な楽しみ方と淹れ方を研究してきた櫻井真也さんが、表参道にオープンした茶房。店内でローストした焙茶や玉露、珍しい発酵茶「碁石茶」などの豊富な種類のお茶と、お茶を使ったカクテルを提供している。玉露とブレンド茶に4杯のティーカクテル、和菓子のセットもあり、静謐な店内で淹れられるお茶から作られたカクテルは、深呼吸するかのように清々しい一服だ。
The SG Club/渋谷
NYで活躍した後閑信吾さんが日本に凱旋帰国。「1860年にアメリカを訪れた遣米使節団の侍たちが、もし日本でバーを開いたら」というコンセプトで、静かに嗜む地下の「Sip」では、構築的な味わいのカクテル、友人たちと賑やかに楽しむ1階の「Guzzle」では、水出しの上質な台湾烏龍茶で作った「ウーロンハイ」などが提供される。ベンフィディック/新宿
農家でバーテンダーというユニークな肩書きを持つ鹿山博康さんの店。埼玉県の畑でジュニパーやニガヨモギなどを育て、「ファームトゥーグラス」をテーマに、その時の畑で収穫されるものでカクテルを作る。アフリカなど、海外にも積極的に出向き、その地方の独自の地酒を研究して創作に活かす。国立森林総合研究所とともに木屑からアルコールを抽出した木の酒の商品化にも携わっている。
Top Image: ⒸBenFiddich