Travel 2 分 2025年7月10日

パリを訪れる前に知っておきたい5つのヒント

ビストロや食事の時間、街歩きのヒントまで、旅の前に知っておきたい基本をまとめました。旅慣れた旅行者のように「光の都」パリをもっと自分らしく楽しむために。

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パリは多くの人の憧れの旅先ですが、その魅力を思い描いたとおりに体験するのは、そう簡単ではありません。象徴的な建築物、食とワインをとことん楽しむ姿勢、そして映画のワンシーンのような「生きる喜び」へのこだわりが共存するこの街は、常に高い理想を掲げ、訪れる人にもその姿勢を求めてきます。その美しさの裏には、暗黙のルールや長年受け継がれてきた作法、所作や形式へのこだわりに対する深い敬意が根づいており、どんなに準備万端の旅行者であっても戸惑うことがあるかもしれません。初めてのパリ旅行や「食」を目的に訪れる方にとって、このガイドが地元の人のように街を楽しむための手引きとなれば幸いです。

1. 季節で異なるパリの楽しみ方

パリは間違いなく一年を通して魅力的な街ですが、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。夏は観光客で最も混雑する時期かもしれませんが、街が最も活気づく季節でもあります。公園では野外フェスティバルが開かれ、カフェのテラスには夜遅くまでおしゃべりが響き、人々はセーヌ川沿いで、まるでリヴィエラにいるかのように日差しを楽しみます。一つ覚えておきたいのは8月の注意点です。多くの地元の人々が海辺へと休暇に出かけるため、小さなブティックやビストロ、パン屋などは一時的に休業することがあります。いっぽうで、美術館や主要なレストランは通常通り営業しています。

冬のパリは、より静かで、費用も比較的控えめ。そして、しばしば魔法のような魅力に包まれます。確かに空は灰色で、寒さも厳しいですが、ホリデーシーズンのマーケットや川沿いのスケートリンク、温かなワインバー、とろけるラクレットの香りが漂う冬のパリはまるで、夏のにぎわいから隠されていた“もうひとつのパリ”に出会えるような気持ちになります。

春と秋は、気候や光のやわらかさが心地よく、旅の時期としても絶好のタイミングです。4月には桜やマグノリアがオスマン様式の大通りをやさしいピンク色に染め上げ、10月には街が赤銅色や黄金色に包まれます。街の歩みはゆるやかになり、光はやわらかさを増して、いつもエレガントなパリが、どこか親密に感じられる季節です。

© The Tuileries Gardens in summer in Paris / possum1961/iStock
© The Tuileries Gardens in summer in Paris / possum1961/iStock

2. カフェ・ブラッスリーからパティスリーまで:食のスタイルを知る

フランス語が話せない方や、パリが初めてという方にとって、旅に出る前にぜひ覚えておきたいのが、フランス料理店の種類です。カフェ・ブラッスリーは、パリを象徴するスタイルのひとつ。幅広いバリエーションがありますが、一般的にはカジュアルな雰囲気のレストランで、シンプルながら満足感のある料理を提供します。店内は広めのことが多く、朝食からランチ、ディナーを提供し、アルコールやノンアルコールのドリンク、コーヒーや紅茶も楽しめます。パリやその周辺にある歴史ある老舗のブラッスリーは人気があるため、事前予約をおすすめします。

ビストロはブラッスリーよりは小規模で親しみやすく、家庭的な雰囲気の店が多く見られます。通常は、ランチとディナーの時間帯のみ営業しており、特に有名店では予約が必須です。スタイルもさまざまで、素朴で肩の力が抜けた店もあれば、現代的で洗練された店もあります。
いっぽう、美食を極める「レストラン・ガストロノミック」は、より高級志向であり、ラグジュアリーホテルや著名なシェフとの関わりも多く見られます。価格は高めですが、行き届いたサービスと洗練された空間が魅力です。こうしたレストランでも、ランチタイムには、比較的手ごろな価格のメニューを提供されていることがあります。

ターブル・ドットは「主人のテーブル」を意味し、ホテルに併設されたレストランなどでよく見られる、プリフィクスメニューを提供します。すべてベのメニューに植物性の選択肢があるとは限らないので、ベジタリアンやヴィーガンの方はあらかじめ内容を確認しておくと安心です。

「バー・ア・ヴァン」、つまりワインバーは、この中でもっとも気軽なスタイルで、ワインをグラスで楽しみながら、シャルキュトリーやチーズの盛り合わせなどをつまめる場所。
ほかにも覚えておきたい飲食店の種類としては、ブーランジュリーはパンを焼いて売る店、パティスリーはペストリーやデザートなど甘い菓子を扱う店、そしてヴィエノワズリーはその中間にあたり、クロワッサンのような甘くてサクッとしたペストリーが中心です。

© The Café de Flore terrace / Jerome LABOUYRIE/iStock
© The Café de Flore terrace / Jerome LABOUYRIE/iStock

3. 食事の時間と店選びの基本

パリでの食事にはいくつかの暗黙のルールがあります。これを知らずにパリを訪ねると、時差ボケのまま、午後に温かい食事を求めて右往左往…なんてことも。なかでも重要なのが食事の時間帯。一般的に、ランチは正午から午後2時まで、ディナーは午後7時から10時とされています。ただし、これはあくまで目安であって、レストランによって営業時間は異なるため、訪れる前に確認しておきましょう。

旅行者にとって頼りになるのがブラッスリー。このスタイルは「セルヴィス・コンティニュ(service continu)」、つまり終日営業をしている店が多く、通常のフランスの食事時間に縛られずに利用できます。
ただし、混雑する食事どきには、飲み物のみの注文は断られることもあるためご注意を。
午後の軽食、いわゆる「ル・グテ(le goûter)」を探している場合は、ブーランジュリーやパティスリーが午後遅くまで営業していることが多く、おすすめです。

4. パリでのチップ、基本の考え方

海外旅行で戸惑いやすいのがチップの習慣です。フランスにも特有のルールがあり、レストランのスタイルによって期待される額が異なります。カフェ・ブラッスリーやビストロでは、チップは義務ではありませんが、会計の5〜10%程度を渡すのが一般的です。ファインダイニングのような高級レストランでは、5〜15%が目安とされており、サービスが特にすばらしかった場合は高めの額を渡すこともあります。
いっぽう、ターブル・ドットのようなプリフィクスコースを提供する店ではチップが求められないこともあります。明確なルールがない分、その場の雰囲気に応じて判断するのが一般的といえるでしょう。

© Aerial metro in Paris / Esperanza33/iStock
© Aerial metro in Paris / Esperanza33/iStock

5. 地元の人のようにパリを歩いてみよう

パリの公共交通機関は実はとても使いやすく整っています。メトロは安価で効率的で、1日乗車券や1回券(billet)など、目的に応じたチケットを購入できます。天候が悪いときにはタクシーや配車サービスを利用したくなるかもしれませんが、交通渋滞により思いのほか時間がかかることもあります。
この街ならではの魅力を余すことなく味わうには、区から区へと歩いて移動し、街を横断してみることをおすすめします。道を歩きながら出会う路地や何気ない風景を探す旅。それを体現する言葉が「フラヌール(flâneur)」です。19世紀のフランスの詩人、ボードレールが描いた、都会をゆっくり歩きながら観察する散策者を意味する言葉です。パリほど、フラヌールにふさわしい街は他にないでしょう。


Hero Image: Lively street in the 5th arrondissement of Paris© Jerome LABOUYRIE/iStock

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