Travel 3 分 2025年9月24日

世界で注目の新しいホテル:ミシュランオープニング・オブ・ザ・イヤーアワード ノミネート5軒

開業から間もなくして期待を凌ぐ存在となった新しいホテルたち。旅先をこれまでにない角度で照らし出し、訪れる人に新しい体験の扉を開きます。

この夏に新設された4つの新しいアワードのひとつ「ミシュランオープニング・オブ・ザ・イヤー」。インスペクターが選んだ5軒のホテルが初めての候補に挙がりました。受賞者は、2025年10月8日に世界同時に発表される「ミシュランキー」とともに明らかになります。

新しいホテルが心を躍らせるのには理由があります。大きな決断を経て生まれる場所には、必ず新しいビジョンが宿るからです。単に存在するためだけに誕生するホテルはありません。それぞれが独自の役割を掲げ、新しい旅人を惹きつけ、目的地をこれまでと違う姿で見せてくれるのです。

今回ノミネートされたホテルはいずれも開業から1年未満。それにもかかわらず、すでにホスピタリティのあらゆる側面で卓越した存在として評価されました。高まる期待に応えるどころか、それを上回る体験を実現しています。


バンコク中心部に残された、希少な緑の聖域 アマン・ナイラート
バンコク中心部に残された、希少な緑の聖域 アマン・ナイラート

アマン・ナイラート/Aman Nai Lert(バンコク・タイ)

このホテルの魅力: バンコクの中心に広がる貴重な緑地。街の歴史と響き合う聖域。

新しいアマンが開業するたび、世界中の注目が集まります。アマン・ナイラートは、ブランドの誕生地であるタイへの待望のカムバック。1988年の初号店以来となります。プーケットの海辺に始まり、雄大な自然の地で展開してきたアマンは、近年の東京やニューヨークで都市をオアシスへと変える手腕も示してきました。ここバンコクでも、そのアプローチは見事に結実しています。設計はジャン=ミシェル・ガシー。舞台となるのは実業家ナイラート家の邸宅地として一世紀以上の歴史を刻み、都心に残された稀少な緑地ナイラート・パークです。

客室は52室。伝統のきめ細やかなパーソナルサービスに加え、宿泊者とレジデント専用の複数のダイニングを擁する充実のプログラムを展開。スパやムーブメントスタジオなどのウェルネス施設は2フロアにわたり、ノバク・ジョコビッチと共同設計したデトックスプログラムも用意しています。

ホテル名は近代バンコクの礎を築いた実業家ナイ・ラートに由来し、その子孫の第4世代と緊密に連携して誕生しました。デザインは隣接する Nai Lert Park Heritage Home へのオマージュを込めつつ、敷地や周辺の博物館、市内各所を巡るガイドツアーも提供します。

特徴:
  • コース料理や鉄板焼、シガーバー、アマンラウンジ
  • 屋外プール、スパトリートメント、ムーブメントスタジオ、ヘア&ネイルサロン.
  • 床から天井までの窓やテラスを備えた52室のスイート.


名門寄宿学校の記憶を宿す、ロマンティックなトスカーナの隠れ家、コレッジョ アッラ クエルチェ - オーベルジュ コレクション
名門寄宿学校の記憶を宿す、ロマンティックなトスカーナの隠れ家、コレッジョ アッラ クエルチェ - オーベルジュ コレクション

コレッジョ アッラ クエルチェ - オーベルジュ コレクション / Collegio alla Querce, Auberge Resorts Collection(フィレンツェ・イタリア)

このホテルの魅力: 文化遺産を丁寧に修復し、フィレンツェの街を見渡す丘の上にたたずむ、洗練されたトスカーナのリトリート。

トスカーナの丘陵地には数々の名宿がひしめき、世界屈指の美しい土地で存在感を示すには強い個性が求められます。オーベルジュ・リゾーツはその挑戦に応え、1868年にバルナバ会修道士によって創設された寄宿学校を舞台に、その面影を受け継ぎながら優雅な隠れ家へと蘇らせました。

ここは単なる学校跡ではありません。16世紀に建てられた邸宅に端を発する建物群で、150年近くにわたりヨーロッパ各地のエリート学生たちが学んできました。1999年に閉校して以降、ユネスコに認められた建物群は長く空白のままでしたが、ここでオーベルジュ・リゾーツが細心の修復を施し、石造りの壁やフレスコ画、格天井を保存。さらに旧教室はスイートへと改装され、石張りの浴室や専用ワインセラーを備えています。開業の際には卒業生たちが集い、美しく修復された校庭で感動的な式典が行われました。

元校長室はカクテル&シガーラウンジに、そして最上級スイート「レジデンツァ・ラ・クエルチャ」は複数階にまたがり、2つのリビングルームと広いテラスを持ち、トスカーナの風景やドゥオモの眺望を楽しめます。
オリーブやオークの木陰に広がる庭園には屋外プールとオープンエアのカフェ「フォコラーレ」、静かな「アエリア・スパ」があり、ゆったりとした滞在を演出します。

特徴:
  • プライベートツアーや料理教室、ワインテイスティングなど多彩な体験プログラム
  • 庭園プール、パーソナルトリートメントや瞑想・ヨガクラスを備えた「アエリア・スパ」
  • フィレンツェ中心部への無料シャトルサービス


ザ・バーマン ─ ユネスコ世界遺産の旧市街に佇む、全17室のラグジュアリーブティックホテル
ザ・バーマン ─ ユネスコ世界遺産の旧市街に佇む、全17室のラグジュアリーブティックホテル

ザ・バーマン / The Burman Hotel(タリン・エストニア)

このホテルの魅力: 全17室ながら大規模ホテル並みの充実度を誇り、ユネスコ世界遺産に登録された旧市街の中心で、食とエンターテインメントを楽しむ拠点となっています。

ザ・バーマンの物語は150年前に始まります。リニューアル後の現在は、細部にまで徹底してこだわり、タリンを訪れるビジネス客や街歩きを楽しむ旅行者を惹きつけています。サービスや設備は一流ホテルブランドに匹敵しながら、より手頃な価格で体験できます。

館内には高級カジノ複合施設の「ボンベイ・クラブ」がありますが、ここは典型的なカジノホテルとは異なり、華美さを排し、上品でエレガントな雰囲気が漂います。客室はわずか17室ながら、ハイテクとラグジュアリーを兼ね備えています。17室という規模だからこそ可能な、きめ細やかなパーソナルサービスも魅力のひとつ。インテリアには、オリエント急行でも使われているハンドメイドのマットレスや、希少なAmouageのバスアメニティなど、細部にまで洗練されたこだわりが感じられます。

さらに、17室規模のホテルとしては珍しいほど充実したフルサービススパを備え、館内の3つのレストランも魅力的です。日本料理の「Koyo」と中国料理の「Shang Shi」はミシュランガイドの「セレクテッドレストラン」に選ばれ、フランス料理の「メゾン・フランソワ」では毎日焼き立てのパンとペストリーを楽しめます。

特徴:
  • 多彩なトリートメントを揃えたフルサービススパ。風呂やジャグジー、スチームルームも完備
  • 館内のレストラン「Koyo」と「Shang Shi」はミシュランガイドに「セレクテッドレストラン」として掲載
  • 高級カジノ複合施設「ボンベイ・クラブ」を館内に併設


ル・ムフロン・ドール ─ コルシカの山間に蘇った歴史あるリトリート
ル・ムフロン・ドール ─ コルシカの山間に蘇った歴史あるリトリート

ル・ムフロン・ドール / Le Mouflon D’Or(コルシカ・フランス)

このホテルの魅力:険しいハイキングで知られる山岳地帯に佇み、自然と文化を味わえる特別な隠れ家。

コルシカ南部の山岳地帯は、本格的なハイキングコースで知られる場所です。そんな地に2025年に誕生したル・ムフロン・ドールは、数少ないラグジュアリーホテルの一つです。シダやチェスナットの木々に囲まれ、丁寧に仕立てられた朝食やコンシェルジュサービスに加え、今後はスパの利用も可能になります。自然とのつながりを重視する旅人に理想的な滞在先です。

1926年に建てられたこの建物は、オーナー夫妻のリズ・カナレッリとアンソニー・ボルネアの情熱から生まれたプロジェクトとして、2025年5月に再オープンしました。かつてはプールと庭園を備えた気軽な夏のリトリート施設として地元で親しまれていましたが、現在は当時の面影を尊重しつつ、モダンな施設へと生まれ変わりました。元のプールも修復され、建物には歴史的な趣が漂います。

大きな門をくぐれば、自然の額縁に収められたように美しい邸宅が姿を現し、朝から夜まで新鮮な発見に満ちた瞬間を演出します。レセプションの壮大なアーチは修道院を思わせ、20室の客室と2つの石造りのコテージにはアンティークやビンテージ家具、個性的な装飾品に彩られています。レストラン「ア・ネピタ」では、ガラス屋根越しにシダーの林を望みながら郷土料理を楽しむことができ、夕暮れ時の訪問は格別です。

特徴:
  • 落ち着いたバー&ラウンジや、庭園を見渡すプールバー
  • 姉妹施設「グラン・ホテル・ド・カラ・ロッサ」のスパとプライベートビーチへの専用アクセス
  • 2026年には1,200㎡規模の「スパ・ヌッカ」が開業予定


シュヴァル・ブラン・セイシェル ─ 海辺に映える、洗練の傑作
シュヴァル・ブラン・セイシェル ─ 海辺に映える、洗練の傑作

シュヴァル・ブラン・セイシェル / Cheval Blanc Seychelles(タカマカ・セイシェル)

このホテルの魅力:マヘ島の南部、野生のまま残るアンセ・インテンダンス唯一のホテル。洗練されたデザインと独自性が光る、特別なビーチリゾート。

セイシェル諸島のマヘ島に広がるアンセ・インテンダンスは、手つかずの自然が残る海岸。青々としたジャングルと花崗岩の丘に抱かれ、目の前には煌めくインド洋が広がります。その絶景の中に点在するのが、全52棟のヴィラを擁するシュヴァル・ブラン・セイシェル。すべてのヴィラにプライベートプールを備わっています。このホテルが他にない魅力を放つ理由は、デザイナー、ジャン=ミシェル・ガシーの設計思想にあります。セイシェルの伝統的な建築様式を取り入れながら、屋内外の境界をあえて曖昧にするデザインによって、自然との深い一体感を実現しました。

その結果生まれるのは、島の自然と文化に深く浸る体験。さらにマダガスカルのアーティスト、ジョエル・アンドリアノメアリソアによるタペストリーが彩りを添えています。
このクラスのビーチリゾートとしては客室数が限られており、その分、究極のプライベート感が約束されています。まさに世界でも有数の夢のような逃避行の舞台です。

特徴:
  • 日本料理、地中海料理、クレオール料理、イタリア料理などを提供する6つのレストラン。その中には、フランスの三つ星の姉妹店と同じ名を冠したシグネチャーレストラン「Le 1974」も含まれる
  • オーダーメイドのトリートメントやリラクゼーションプログラム、サウナ、ハマム(トルコ式蒸し風呂)を備えた「シュヴァル・ブラン・スパ」
  • 2つのプールと宝探しをテーマにしたキッズクラブ「ル・カルーセル」



Hero Image: シュヴァル・ブラン・セイシェル / Cheval Blanc Seychellesジャン=ミシェル・ガシー設計のリトリート

Travel

検索を続ける - 興味深い記事

滞在日程を選択してください
1泊、1名様の料金(JPY)