世界では、地球環境の保護や持続可能な未来に向けた活動に注目が高まっています。ミシュランガイドは、料理の評価と共に、サステナブルな社会に向けて取り組む、料理人やレストランに光を当て「ミシュラングリーンスター」として紹介しています。
「ミシュランガイド京都・大阪 2022」では、新たに3軒が加わり、京都6軒、大阪4軒の「ミシュラングリーンスター」を紹介。食を通して未来を考える機会になることを願っています。
<京都>
十五(ビブグルマン/蕎麦)/ New ミシュラングリーンスター
石橋明也氏
❝自ら畑を耕し、蕎麦の実と向き合うことで、自然との共生へ導かれました。蕎麦殻、野菜の端材、だしがらの昆布と鰹節を堆肥化し、畑の養分として土に還元しています。食材の廃棄が限りなくゼロに近付いています。❞
草喰 なかひがし(二つ星/日本料理)
中東久雄氏
❝人の身体と暮らす土地は一体という身土不二から、地の素材を尊びます。“食べられるものは食べ尽くす”を理念に、農家から未熟な野菜も引き取り廃棄を防ぎます。余った食材は大原の鶏舎まで飼料として運び、食の持続性を考えています。❞
美山荘(二つ星/日本料理)
中東久人氏
❝長年私たちは自然に寄り添い料理を作ってきました。山の生態系に配慮しながら共存しています。野草、川魚、茸といった近隣の素材が主のため、フードマイレージも軽減されます。野山に自生する植物を摘むことで、真の旬を感じています。❞
<大阪>
HATSU(一つ星/イノベーティブ)/ New ミシュラングリーンスター
枡本航平氏
❝農薬や化学肥料不使用の野菜、廃材を燃料とした養殖鰻などサステナブルな食材のコースです。“海と山”がテーマなのは、自然界を身近に感じてほしいから。無農薬玄米の茶を出し、東北の伝統文化を絶やしません。料理を通じて持続可能性を伝えます。❞
雲鶴(一つ星/日本料理)/ New ミシュラングリーンスター
島村雅晴氏
❝天然資源が枯渇している魚介類の持続可能性に努めます。環境負荷を極力抑えた養殖魚の生産活動や発信に協働。生態系を脅かす漁法で獲った魚も使いません。また「なにわの伝統野菜」を作る農家と関係を深め、大阪の食文化の継承に尽力します。❞
柏屋(三つ星/日本料理)
松尾英明氏
❝私たちは、天然の魚介類が減少していることを危惧しています。そのため水産に関する研究機関と連携し、養殖魚の品質や付加価値の向上に取り組みます。「なにわの伝統野菜」の伝統や文化を継承するため、近隣の生産者との繋がりを大切にしています。❞
寺田(一つ星/日本料理)
寺田繁氏
❝自然の循環を利用する米農家と関係を深め、伝統農法を未来に繋げます。実践するのは、雨水が川へと流れる天水を活用した米作り。専用の棚田で栽培されたコシヒカリを料理に使います。また、実家から届く野菜は、環境に負荷をかけずに栽培したものです。❞