すしのルーツは熟れずしや鮒ずしの発酵保存食です。文献によると1300年前の奈良時代まで遡ります。握りずしは江戸時代の東京、屋台が始まりと言われています。氷はなく、流通も盛んではなく、東京湾の魚を塩や酢に漬けたり、そして煮たりと工夫を重ねました。それが江戸前の仕事です。先人から受け継いだ知恵といまの進化を紹介します。変わらないことは変わり続けることでもあるのです。
江戸前の花形 鮪
赤身は漬けにせず、純粋な香りを重視する。トロは寝かせて脂の旨みを楽しむ。豊洲の舞台には、関わる人々のドラマがある。青空
高橋青空
親父の背中を追いかけて 鰹
親父は、世界一有名な寿司職人、小野二郎氏。藁で燻した鰹は燻香が素晴らしい。香りが最も味わえる一貫。すきやばし次郎六本木店
小野隆志
夏の終わりのハーモニー うに
晩夏に味わった唐津の赤うには、奈良漬けが添えられる。濃厚なうにと熟成した酒粕の風味が調和する。木挽町 とも樹
小林智樹
寿司漫画との出会いが原点 煮蛤
寿司の漫画に影響を受け韓国から来日。ひたむきな姿は主人公と面影が重なる。煮蛤は江戸前の代表格の一つ。やわらかさと貝の旨みが持ち味。すし家 祥太
ムン ギョン ファン