大名屋敷が置かれていた江戸の情緒薫る街、紀尾井町。「ホテルニューオータニ」は1964年の創業以来、充実した館内設備とホスピタリティで、国際会議や晩餐会の場として多数の来賓客を迎えてきた。江戸城外堀に囲まれた広大な庭園を有し、日本を代表するホテルである。コンポストプラント設置などサステナブルな活動を1990年代より先駆けて採り入れ、快適性と持続可能性の両立を実践している。
「エグゼクティブハウス 禅」は、ザ・メインの11・12階に位置するラグジュアリーホテル。“禅”の境地を反映した静謐でプライベートな空間。専任コンシュルジュによる24時間体制のサポート。都心にいながら自然に触れ、過去や未来にとらわれず、心が赴くままに過ごす。“禅”を謳うとおり、滞在中に心身をデトックスし、明日への活力を養えるホテルである。
「詫び・寂び」をテーマとした客室
炭や和紙といった日本古来の自然素材や伝統色に包まれる室内。作家による直筆の墨アートも印象的。厳かでありながら、どこか懐かしさを感じる落ち着いた雰囲気に包まれる。窓外に広がる空の色や雲の流れをぼんやりと眺めたり、お気に入りの本を読んだり、心の赴くままに自分だけの時間を過ごせる。眺望と美食-宿泊者専用エグゼクティブラウンジ「ZEN LOUNGE」
テーマを変えて供されるフードプレゼンテーションは1日6回。「禅」宿泊者は無料で利用できる。注目したいのは朝食に楽しめる「Jシリアル薬膳粥」。日本有数の雑穀米の産地、岩手県軽米産のホテルオリジナルブレンドを使う。12種類の具材から好みに味付けでき、体に優しい朝食。その日の朝に焼き上げる「ピエール・エルメ・パリ」のクロワッサンも揃え、バラエティ豊か。そのほか、オードブルの時間に提供される黄金に輝く「コンソメスープ」。さまざまな肉や野菜から3日間かけてブイヨンをとるこだわりの一杯が楽しめる。赤坂御所の緑、新宿の高層ビル群、晴天であれば富士山の眺望が優雅なひとときを演出。常駐するコンシェルジュに、滞在の計画を相談するのもいいだろう。江戸城外堀に囲まれた広大な日本庭園
ホテルの顔ともいえる庭園は、熊本藩加藤清正の下屋敷や彦根藩井伊家の庭園として400年以上の歴史を持つ。庭内の小道や池のほとりに点在する灯籠や塔から感じる日本の風情。季節毎に咲く草花や良く手入れされた樹木は、四季折々の風情を映し出す。結婚式や披露宴、記念日などの撮影場所としても人気。朝の散歩から夜のライトアップまで、各々のスケジュールに合わせて散策を満喫したい。
ミシュラン一つ星「トゥールダルジャン 東京」
1582年に創業し、世界中の美食家から支持されるパリのトゥールダルジャン。その世界唯一の支店。ホテルでの日本のおもてなしに対して、レストランではフランスの食文化を堪能できる。館内には、フォークの原型など歴史を物語る品々が展示され博物館のよう。豪華なダイニングで過ごす非日常の空間。特別な経験が思い出になるだろう。持続可能な取り組み
環境への配慮もホスピタリティと捉えるホテルニューオータニ。その一つが、コンポストプラントの設置。1日約5トンの生ゴミを100%有機堆肥化している。その堆肥を契約農家へ運び、育った野菜や果物を使う地球にやさしい循環型。主に社員食堂で活用している。館内から出る厨房排水を再利用する「中水造水プラント」を地下に設置した。最近では、カーボンニュートラル都市ガス(CNL)もホテル業界で初めて導入し、CO2削減にも意欲的。食材の地産地消の推進にも熱心である。
大規模なホテルだからこそ、エネルギー消費量は多い。ホテルが一つの街として機能し、循環型社会を実現できるように、再利用する設備を整えてきた。ゲストの快適な滞在、環境に配慮した社会的責任を同時に実現する。
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