「ミシュランガイド東京2008」より三つ星として掲載されているフレンチレストラン「カンテサンス」。
オーナーシェフの岸田周三氏は、自由な発想を基に個性あふれる料理でゲストを楽しませている。
輝かしい舞台に立ち、常に最前線で飲食業界をけん引する岸田シェフの下積み時代。
「面白いと思えるまでに時間はかかりました。いつになったら思い描いていたクリエイティブな仕事ができるのだろうと、不安に思っていた時期が3～4年ほど続きました。年表を作り、いつまでにはこうなるという理想の自分を描きながら、日々、努力を積み重ねてきました」と振り返る。
それから年月が経ち、気付けば自身が背中を追いかけられる立場になっていた。若かった頃に憧れていた先輩がいたように、これからは自分が模範となるような存在になり、多くの若手たちと共に未来を築き共に歩みたい。
若手を指導する真剣な表情からは、人を育てるという使命感と情熱が伝わってくる。チームメンバー が巣立ち、新たな場所で料理をはじめ、生き生きと働き、活躍している姿をみることは微笑ましい。先人が築き上げてきた教えを後世に伝え残し、食の力で人を幸せにする。それが自身を育ててくれた飲食業界、すべてに対しての岸田シェフの恩返し。そう心に誓い、岸田シェフはキッチンへ向かう。今までも、そしてこれからも。すべては人のために。
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