People 1 分 2024年1月12日

Chef‘s インタビュー:新二つ星MAZのサンティアゴ・フェルナンデスシェフ

MAZはアジアにおける“南米料理の大使館”と語るサンティアゴシェフ。その真意とは。

「ミシュランガイド東京2024」初掲載にして二つ星。センセーショナルなデビューを飾ったのは、ペルーの豊かな生態系と日本の食材を融合させた「MAZ」。二つ星受賞直後、ベネズエラ出身のサンティアゴ・フェルナンデス氏に、喜びの声を聞いた。


ステージで名前を呼ばれた時のお気持ちをお聞かせください。

オープンして一年と数ヶ月。この短期間でやってきた一つ一つの仕事が認められたと感じ、心から嬉しく思いました。 そして、遠い南米から次の活躍の場として日本を訪れ、ミシュラン二つ星の評価を受けられたことを誇りに思います。
また、ペルーにいる同志であるヴィルヒリオ・マルティネスとマレーナ・マルティネス、そして日本で私を支えてくれているチームや家族、友人への感謝の気持ちがこみ上げました。


MAZの料理を表す言葉を3つ教えてください。

最初に言えるのは、私たちの料理は自然をベースにしています。
次に、高い芸術性を備えていること。
そして、しっかりしたコンセプトがあるということです。
料理に込められている たくさんの情報を、ダイニングエクスペリエンスを通して感じ取っていただければ幸いです。


MAZの料理で最も重要なことは何ですか?

常に、どのようにしたらペルーの生態系をよりよく表現できるか、と考えるところから始まります。それに加え、 味、技術、創造性、そして見た目の美しさを忘れることはありません。
また、私たちは味覚だけではなく、質感、香り、光など、ゲストが体験するありとあらゆる要素が重要だと考えています。ただし、それは “おいしさ”があってのことになります。


日本の食材をペルー料理にどのように融合させるのでしょうか?

私たちはできる限り日本の食材を使います。料理をする上で、その土地の食材を取り入れるのはごく自然なこと。そして日本の食材の質は非常に高い。日本の旬の食材とペルーの食文化を組み合わせ、私たちのアイデアと技術によって、より高い次元の体験を生み出したいと考えています。


具体例を一つ教えてもらえますか?

昨日調理したのは白子。一般的にはペルー料理に白子は使いませんが、ペルーから届いた乾燥した海藻、柑橘類やパクチーの酸味と合わせるだけで、それぞれの食材の良さを際立たせることができると感じました。
白子自体も本当に素晴らしいのですが、私たちの要素を加えると、他では体験できないような特別な一品に仕上がるのです。


ペルー料理を東京で伝えることの意味は?

日本のガストロノミー界に、料理を通じて“南米料理の大使館”を構えることができたと感じています。


最後にひとことお願いします。

また明日から、 ペルーの生態系を基に新たな料理を生み出すのが待ち遠しいです。日本の皆さんに紹介したいものが、まだまだたくさんあるので、私は情熱に満ち溢れています。
ミシュランガイドはMAZという新しいレストランのスタートに大きな刺激を与えてくれました。
これからも謙虚に 、新しい料理を作り続けていきます。


ミシュランガイドセレモニーでの発表直後、興奮が冷めやらぬ中でのインタビュー。インタビューボード前で何人ものジャーナリストに見守られる中、まっすぐに前を見つめ、迷いなく答える姿が印象に残る。エネルギーに満ち溢れる力強さの中、ときより見せる気さくな一面もフェルナンデスシェフの持ち味。これからのチャレンジから目が離せない。


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Top Image: ⒸMichelin

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