パリ祭とは
7月14日はフランス国民にとって一大イベント。その歴史は1789年7月14日に起きたバスチーユ監獄襲撃まで遡ります。その翌年、フランス革命の発端となった7月14日を建国記念日として祝うことになったのがパリ祭の始まり。正式名は「Fête nationale française」(フランス国民祭)ですが、日付である「Le Quatorze Juillet」(7月14日)という名で親しまれています。
日本で「パリ祭」と呼ばれるようになったのは、ルネ・クレール監督の映画「Quatorze Juillet」の邦題が「巴里祭」と訳されたことに由来しています。
フランスでの様子
この日はパリの街がお祝いムード一色に染まる特別な日。
空軍がパリの空をキャンバスに見立て、鮮やかなトリコロールを描きます。凱旋門からコンコルド広場へパレードが進み、世界的に有名なシャンゼリゼ大通りは、たくさんの人々で賑わいます。夜になれば、家族や友人たちで集い、シャンパンを開けてお祝い。エッフェル塔をバックに花火が盛大に打ち上がり、その光景はまるでフランスの未来と希望を夜空に映し出したかのよう。
またパリ祭はバカンスシーズンを告げる合図とも言え、この日はフランス全土が喜びに満ち溢れます。
フランス料理とは切っても切れない縁
フランス革命は、フランス料理の発展にも大きな影響を与えました。王室に仕えていた宮廷料理人たちは、革命後、活躍の場を街中に移しました。多くのシェフがパリに店を構え、一般市民でも楽しめる料理が浸透していきました。そして美食の文化や技術は、瞬く間にフランス全土に広まっていったのです。
その後フランス料理は、ルネサンス期より発展した貴族のための「グランドキュイジーヌ」から、アントナン・カレームやエスコフィエの手によって築かれた「オートキュイジーヌ」を経て、 新たな時代にあわせ姿を変えていきます。フランス革命は、ガストロノミーにおける軌跡の原点とも言えます。
日本でも親しまれるフランス料理
1960~1970年代にフランスで修業した日本人シェフが続々と帰国し、1980年代には日本のフランス料理界が目覚ましい発展を遂げました。先達から伝統を受け継ぎながらも、のちの世代が時流に沿って進化させているからこそ、日本には素晴らしいフランス食文化が根付いています。
その中でも東京は、本場さながらの雰囲気でフランス料理を味わえる店がたくさんあります。ミシュランガイドでは、パリ祭を記念し、東京で気軽に楽しめるフランス料理店をピックアップしてご紹介しています。
日本の夏といったら鰻、スイカなどを思い浮かべますが、今年はパリのエスプリも追加し、いつもと違う夏を満喫してみてはいかがでしょうか。ボナペティ!(めしあがれ!)