ベストオブガイド 京都

日本の歴史と文化、心に触れる―京都の料亭

10 レストラン
京都の料亭文化は、安土桃山時代に千利休が確立した、「侘び寂び」の精神と共に発展したといっても過言ではありません。古の都は京都だったこともあり、全国の職人が、朝廷や公家に献上する品に精を出し、数寄屋建築はもとより、掛け軸や置物、華道、茶道、器など、日本の総合芸術を歴史と文化と共に深く楽しめる場所です。着物姿の女将、仲居のもてなしも然り、料理と室礼で伝えるのは言葉に表せない季節の情感です。春の桜、夏の祇園祭、秋の紅葉、冬の静寂、日本人が大切にしてきた伝統行事を含め、名所が揃う京都で日本文化の風情に浸れる料亭を紹介します。
更新日 2025年5月8日
高台寺 十牛庵/Kodaiji Jugyuan
京都市東山区桝屋町 353, 605-0826 京都
¥¥¥¥ · 日本料理

門をくぐれば静寂な空気に包まれる。数寄屋の名工が手掛けた料亭は見事な意匠。著名な庭師による日本庭園も美しい。二階の「藤の間」からは八坂の塔を望む。日本の伝統美と、四季折々の風情を楽しみたい。

高台寺 和久傳/Kodaiji Wakuden
京都市東山区鷲尾町 512, 605-0072 京都
¥¥¥¥ · 日本料理

東山麓の高台寺近くに立つ。数寄屋造りの名工が手掛けた日本建築は品格のある佇まい。囲炉裏の間やカウンター個室を設え、料亭文化に新風を吹かせる。気鋭な料理長が日本料理を前進させ、創業地、丹後半島で米を育て未来を見据えている。

京懐石 吉泉/Kyokaiseki Kichisen
京都市左京区下鴨森本町 5, 606-0805 京都
¥¥¥¥ · 日本料理

下鴨神社近くに立つ料亭。糺の森は祖先が商いしていたゆかりの地。「吉泉」は当時の屋号に由来する。京の歳時記や風習を献立に映す。室礼には茶道、華道、書道、香道の稽古で培った美意識が行き届く。雅やかな京料理でもてなしてくれる。

瓢亭/Hyotei
京都市左京区南禅寺草川町 35, 606-8437 京都
¥¥¥¥ · 日本料理

450年も昔、南禅寺の参拝者に腰掛茶屋を設けたのが始まり。こけら葺き屋根や床几、古びた笠と草鞋など、創業時の名残はタイムスリップしたかのよう。苔生した庭の池に流れる琵琶湖疎水。京の長い歴史と共に歩んでいる。

菊乃井 本店/Kikunoi Honten
京都市東山区下河原町 459, 605-0825 京都
¥¥¥¥ · 日本料理

大正元年に料理屋として創業し、京の雅な料理と文化を伝える三代目。和の伝統を守りつつ、献立に西洋食材を取り入れるなど革新をもたらす。大小様々な個室を備え、どの部屋も趣深い。四季の室礼や庭の景色に心が安らぎ、大切な人との時間をゆっくりと過ごせる。

一子相伝 なかむら/Isshisoden Nakamura
京都市中京区松下町 136, 604-8093 京都
¥¥¥¥ · 日本料理

江戸時代後期に創業し、六代にわたる料理屋。「一子相伝」の家訓を守り、一期一会の心意気で向き合う。ぐじの酒焼と白味噌雑煮は代々受け継いできた名物として名高い。落ち着いた佇まいの部屋、女将のもてなしに心が安らぐ。

建仁寺 祇園 丸山/Kenninji Gion Maruyama
京都市東山区小松町 566-15, 605-0811 京都
¥¥¥¥ · 日本料理

伝統文化に寄り添う主人が伝える京都の風土。待合に夏は氷柱、冬は火鉢を設けて客を迎える。掘り炬燵席、テーブル席、茶室を用意する部屋は、季節の室礼に心が和む。献立は、春は筍やモロコ、秋は松茸や子持ち鮎などの京都らしい味覚で彩る。

有職料理 萬亀楼/Yusokuryori Mankamero
京都市上京区蛭子町 387, 602-8118 京都
¥¥¥¥ · 日本料理

西陣の一角で代々受け継ぐ、京料理の伝統。1722年創業の造り酒屋が茶屋を営み、料理を供すようになり「萬亀楼」の屋号を掲げた。宮中の節会で食された有職料理と茶懐石に基づく料理で京都の食文化を伝えている。昼は竹籠弁当も用意し、気軽に風流なひとときを過ごせる。

山荘 京大和/Sanso Kyoyamato
京都市東山区桝屋町 359, 605-0826 京都
¥¥¥¥ · 日本料理

京都市街を一望できる東山の高台に立つ。歴史的な建造物、日本庭園が料亭としての風格を感じさせる。江戸時代創建の「送陽亭」からは八坂の塔が望め、慶事の席にもふさわしい。その名のとおり、沈みゆく夕陽を見送る景色は格別な美しさがある。

木乃婦/Kinobu
京都市下京区岩戸山町 416, 600-8445 京都
¥¥¥ · 日本料理

祇園祭で巡行する鉾を管理する山鉾町に立つ。仕出屋として創業し、時代の流れに合わせて料亭に変えた。「離れの間」は坪庭に面した落ち着きのある空間。「胡蝶の間」は、祇園祭の山鉾巡行を描いた屏風を飾る。平日昼の、懐に優しい会席は大広間の相席となる。

滞在日程を選択してください
1泊、1名様の料金(JPY)