2024年、ミシュランガイドは「ミシュランキー」―世界中で最も優れたホテルを示す新しい指標―を発表しました。
新しい指標と共に、イタリア国内のミシュランキーホテル全リストをご覧ください。
3ミシュランキーは、ミシュランガイドにおいて最高級のホテルを表す指標。1ミシュランキー(107軒)や2ミシュランキー(31軒)も特別ですが、イタリア国内では3ミシュランキーとして掲載されたホテルはわずか8軒のみです。
3ミシュランキーは、ミシュランガイドホテルセレクションの5つの評価基準すべてにおいて卓越しています。
今回は評価基準のひとつである建築とデザインに注目。
以下に、イタリア国内の3ミシュランキーホテル全8軒のインテリアとエクステリアをご紹介します。
アマン・ベニス/Aman Venice
イタリア、ベニスアマン・ベニスでは、アマングループが得意とするモダンな建築様式を用いることなく、ルネッサンス期の貴重な宮殿を利用しています。さりげなくもスタイリッシュでコンテンポラリーなデザインやモダンな家具を除けば、旧商家の創業者が残した当時の邸宅を垣間見ることができます。
アマンをご存知であれば、ここが歴史的なディテールと現代的な快適さを兼ね備えた、一流の宿泊施設であることがイメージいただけるでしょう。その中でも、カナル・グランデ・スイートは大運河を眺められ、建物の上層階から正面に見える景色は額縁に入った絵画のよう。目の前を遮る建物などは一切ありません。
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カステッロ・ディ・レスキオ/Castello di Reschio
イタリア、ペルージャ
イタリアのホテリエは、一般的に遺産となる建造物の取り扱いに慣れていますが、カステッロ・ディ・レスキオは、その最たるものといえます。トスカーナとの州境にほど近い、ウンブリアの丘にある広大な敷地に建てられたこの古城の歴史は、十世紀にまでさかのぼります。それと比べると、オーナーや建築家、アーティストたちが丁寧な修復に費やした十数年は、ほんの一瞬の出来事のように感じられるでしょう。
時間を費やした価値があることは、ホテルを見れば明らかです。客室とスイートは完璧にデザインされ、建物には1000年以上前のディテールが活かされています。モダンなイタリアンデザインの家具、何世紀にわたり受け継がれてきた美術品や調度品によって、彩られています。一部のグランドスイートには、教会の祭服室だった建物も使用されています。また、最も贅沢なスイートは、古城の塔の5階にまたがり、ウンブリアの素晴らしい景色を一望できます。
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ローズウッド・カスティリオン・デル・ボスコ/Rosewood Castiglion Del Bosco
イタリア、シエナローズウッド・カスティリオン・デル・ボスコの居心地よい空間は、のどかな風景のほんの一部にすぎません。4,500エーカーを超える手つかずの大地と800年の歴史ある農園の風景があなたを待っています。ここではワインの生産が盛んで、敷地の大部分は、ぶどうの栽培や森林の保全用地。残りの敷地には、農園の母屋だったイル・ボルゴを中心に、砂岩のヴィラエリアがあります。
トスカーナの景色、時の流れに溶け込み、1552年当時を彷彿とさせる広大な敷地を独り占めするかのように過ごすことができます。素朴な体験を提供するというコンセプトですが、2つのレストラン、オーガニックキッチンガーデン、料理教室、スパ、充実したフィットネス施設など、様々なアクティビティも存分に味わえるでしょう。
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JK・プレイス・カプリ/JK Place Capri
イタリア、カプリJK・プレイス・カプリはミケーレ・ボナンがインテリアを手がけています。クラシックで都会的、そして英国のカントリースタイル漂う館内は、やわらかなパステルトーンとパターンの入った壁紙が特徴です。客室には海に面した小さなバルコニーがあります。またペントハウス・スイートは独立した2つの部屋に分けることができ、ナポリ湾のパノラマビューを望む、プライベートテラスが付いています。
このホテルは、ローマ時代の古都カプリの港を見下ろす崖の上に位置し、また市街地に近く、カプリのホテルとしては珍しく海に面しています。ここだけを聞いても、費用と手間を惜しまず、あらゆるものが集約された高級ホテルであることが容易に想像がつくことでしょう。景色の美しさではアマルフィ海岸に譲りますが、崖上から見渡すパノラマを存分に堪能できる一流ホテルです。
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コルテ・デッラ・マエスタ/Corte della Maestà
イタリア、チヴィタ ディ バーニョレージョローマ市内から100キロほど北上すると、丘の上に中世の村チヴィタ・ディ・バーニョレージョが姿を現します。思わず息を飲むその景観を目にすると、かつてここが「死にゆく町」と呼ばれていたとは信じられないほど。1685年に起きた地震で、司教と住民は後ろ髪を引かれながらも、自宅や神学校を残し、この地を去りました。
それから数世紀。ローマから便利な場所に、これほど素晴らしい保養地があるとは想像しがたいでしょう。特に夕暮時は感動的で、蔦の絡まる玄関口から、ガラスのランタンに点るキャンドルの灯りに導かれて先へ。アーチ型の石の抜け道をくぐった先には、石造りの古い邸宅が。天井にはフレスコ画が描かれ、アンティークの暖炉では温かい火が焚かれています。総客室数はわずか4部屋。丁寧に修復された部屋は全室眺望が楽しめ、オーナーが収集した美術作品や骨董品が飾られています。
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カーサ・マリア・ルイージア/Casa Maria Luigia
イタリア、モデナ世界中で星付きレストランを手掛ける有名シェフ、マッシモ・ボットゥーラ氏の手腕が光るカントリーハウス風ホテル。ここが、魅力的な食事のための目的地であることに間違いありません。あまり知られてはいませんが、宿泊体験そのものも劣りません。カーサ・マリア・ルイージアは、わずか12室のこぢんまりしたホテルですが、ブティックスタイルのインテリアデザイン、モダンな家具とコンテンポラリーアートの見事なコレクションは、寝る時間も惜しいほど。モデナから車で15分程のこの施設では、多くのゲストがプールやテニスコート、アートギャラリーやガーデンなどのホテル内の施設で思い思いの時間を過ごします。
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イル・サンピエトロ・ディ・ポジターノ/Il San Pietro di Positano
イタリア、ポジターノ17世紀、サン・ピエトロに捧げられた小さな礼拝堂がホテルの目印で、断崖の岬に位置しています。山の面に段々に建っているため、高所が苦手な人は不安に感じるかもしれませんが、全室のテラスから、驚くほどの景色が一望できます。ホテルの奥行は、わずか一部屋分なので、景観に違いはありません。どの部屋も背面には断崖、正面にはプライベートテラスが広がっています。
これほどの景色を目の当たりすると、内装はもはや関係なくなるでしょう。しかし、インテリアも軽視さることなく、広々とした客室の床はタイル張りで、どの部屋も上品にデザインされています。スタンダードルームとデラックスルームの違いは主に広さです。スペシャルルームはバスルームがガラス張りなので、絶景を見ながら最高のバスタイムが楽しめます。
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ベルモンド・ホテル・チプリアーニ/Belmond Hotel Cipriani
イタリア、ベニス15世紀、貴族の宮殿であった「Palazzo Vendramin」。現在はホテル・チプリアーニの別館となり、16の客室と専任のバトラー・サービス付きスイートから、美しいラグーンとその向こうのサンマルコ広場を望む景色が楽しめます。この別館を除いて、ホテルの佇まいは1958年の開業当時とあまり変わっていません。本館はパステル調のベネチアンカラーのアンティークな室内で、バスルームも小さめ。かつての上流階級の残り香が感じられます。
このホテルの魅力は何といっても雰囲気。インテリアは視界を遮らないようデザインされているので、美しい景色を十二分に堪能できます。ラグーンや島々を見下ろすホテルは他にもありますが、べニスの街を対岸から眺めることができるのは、ジュデッカ島に建つこのホテルだけ。ラグーンに漂うパステルトーンの美しい街並みは、人々のため息を誘い、とりこにします。
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Hero Image: Corte della Maestà — Civita di Bagnoregio