グランド ハイアット 東京

膨大な総工費をかけて建造された六本木ヒルズはある意味、東京のロックフェラー・センター、と言ってもいいでしょう。ショップやレストラン、エンタテインメントスペースなどが詰まっ たこの多目的施設。中心となっているのはやはり、53階に現代美術館を持つ森タワーですが、隣にオープンした全387室の「グランドハイアット 東京（Grand Hyatt Tokyo）」も注目度では引けを取りません。

豪華さという面では、名高い新宿のパークハイアットに一歩譲りますが、このグランドハイアットは、大型ビジネスホテルにおけるモダンデザインの可能性を見事に体現したホテルとなっています。巨大な頭の彫刻がゲストを迎える広大なロビーから、レアな赤花崗岩で出来たプールまで、チェーン展開しているビジネスホテルではこれまで考えられなかったような高いデザイン性が魅力です。

また、それは客室階も同様。廊下ではまず、各部屋への扉が壁と同一平面になっているのに気づくはず。インテリアは、お洒落系ホテルにも負けないスタイリッシュさで、デザイン・アメニティ共に申し分なしに近代的。Fretteのシーツに無線LAN、SF映画から飛び出したような近未来的なエンタテインメントシステムなど、最新かつ快適な設備が整っています。（機械音痴の人は、リモコンの操作などに強い友達を連れて来るのがお勧めです。）でも、一番の注目どころは、シャワーと別に日本式のお風呂が付いたバスルーム。ゆったりと浸かれる湯槽があるのは、普段はシャワーだけ、という人でも嬉しいはず。また浴室には小型液晶テレビが付いているから、一日中バスタイムを楽しんでいても、最新ニュースをキャッチし逃す心配はありません。

六本木という便利な立地に加え、西向きの客室からは富士山の御姿が拝める（時差ぼけに悩まされたら、リモコン一つで操作できる完全遮光カーテンを下ろしましょう）というありがたいこのホテル。パークハイアットやフォーシーズンズに匹敵するスタンダードを保ちつつ、敷居（と料金）はあまり高くないというのだから、これこそ、個性あるラグジュアリーホテルと呼ぶべきものではないでしょうか。