La Bastide de Marie

ラ・バスティード・ドゥ・マリー（La Bastide de Marie）は、「正統派」とされる典型的なプロヴァンス・スタイルを避けることで、お馴染みプロヴァンスのカントリーハウス風ホテルに新風を吹き込んでいます。古ぼけたホテルしかなさそうなこの地域にありながら、ラ・バスティードは近代的で洗練された一軒。現代的なアップデートというのは、冗談っぽくなってしまったり、あさはかに伝統を拒絶しているかのように見えてしまうことも少なくないですが、このホテルは周りの環境に忠実でいながら今後のカタチを提案する、敬意ある現代性を体現しています。

プロヴァンスはリュベロン地方の中心部に佇むラ・バスティードは、その白い石の建物こそ1世紀も前に造られたものですが、それ以外は現代的な感性が溢れるホテル。カントリーハウス・ホテルというと、（平均的にちょっと風変わりな）家族が何代にも渡って営んでいるものが多いですが、ここの経営者は仏ホスピタリティ業界の大ベテラン。特に地元出身というわけでもありません。そのせいあって、インテリアは折衷的かつコンテンポラリー。プロヴァンスのアンティーク・ディーラーから買い付けた調度品に並んで、近代家具や、本物よりも本物感のある時代物デザインアイテムが置かれています。さらに、最近は本館に加え、5部屋のベッドルームを備えたヴィラを併設。本館と同じサービスと雰囲気を持ち合わせ、スパ・キャビンでは姉妹ホテル「レ・フェルム・ドゥ・マリー（Les Fermes de Marie）」のカスタム製品を使っています。

こういったホテルでは、個人邸宅や民宿のような親密な雰囲気も期待したいところ。ラ・バスティード・ドゥ・マリーは、プロならではのスムーズなサービスを提供しつつ、そんな雰囲気作りにもちゃんと気を払っています。スタッフはスマートながらも、下手に媚びず気取らない物腰。食事は、当然大きな魅力のひとつとなっていて、このホテルのそのほかの部分同様に、とてもさり気ないのに完璧。敷地内で作られたワインと共に味わって。ワイン醸造専門スタッフに声をかければ、ツアー＆テイスティングもアレンジしてくれます。

【備考】当ホテルは毎年季節営業を行っており、営業日は12月16日〜1月2日、4月13日〜11月15日となっています。