The Ritz-Carlton Georgetown, Washington, D.C.

ザ・リッツカールトン・ジョージタウン（The Ritz-Carlton Georgetown, Washington D.C.）は旧焼却炉を改修したホテル兼コンドミニアム。焼却炉と聞いて眉をひそめるかもしれませんが、大規模な改修により、高さ約40メートルの煙突が残る以外、薄汚れた無機質で冷たい工場の面影を一掃しています。建物自体は非常に個性的で、白い柱のゴージャスな姉妹ホテルよりも好感が持てます。この建物は、大都市を席巻した産業施設の再利用の精神にのっとっています。すなわち以前この地域は、夜間は怖くて歩けなかったのですが、今では廃工場のレンガを再利用した高級住宅が並ぶお洒落でハイソな地区になっているのです。

ホテルは、大通りから一本入った静かな立地ながらも、ホワイトハウスやスミソニアン博物館のほか数々の名所に徒歩で数分という便利な場所にあります。近所にはジョージタウンのお洒落なレストランやナイトクラブ、ブティックなどが並んでいます。またホテルのすぐ隣には14スクリーンのシネプレックス（複合映画館）と、世界的セレブも住んでいるという高級住宅街があります。

赤、ゴールド、緑で彩られた客室は、レンガ色の外壁とポトマック河畔の緑とあいまって落ち着いた印象で、窓からの眺めはリバービューまたはシティビューになります。室内はすべて、リッツカールトンらしい洗練された装いで、高速インターネット接続と電動のノートPC用金庫を完備しています。ホテル内には技術サポートスタッフが常駐しています。また、顧客には政府高官や著名人などが多いため、会議およびビジネス設備も非常に充実しています。

メインダイニング「Fahrenheit」はもと焼却炉の最上階にありますが、一番賑わうのはバー「Degrees」。週末の夜ともなると、20代後半から30代前半の地元の政治好きでフロアはいっぱいになります。ウェストハリウッドの「Chateau Marmont」が芸能人御用達のホテルであるように、Georgetown Ritz-CarltonはワシントンDCのエリートたちの御用達ホテルなのです。

ただしワシントンのエリートはロサンゼルスのセレブたちより気難しく、だからこそ、どうしようもなくヒップなブティックホテルではなくリッツカールトンが重宝されるのです。ワシントンのこの粋なホテルにも、スパや大理石の大きなバスタブ、そして広大なスイートルーム（「アンバサダー」「プレジデンシャル」「ロイヤルポトマック」など）はあります。しかし1日2度のハウスキーピングサービスと、ゴージャスなリッツ特製のバスローブをLAのファッショナブルなホテルで探すとなると難しいかもしれません。