The Guesthouse Vienna

永遠の輝きを誇る宮殿やオペラ座、オーストリアの国宝を飾る埃ひとつないガラスのケース・・・。ウィーンを散策していると、街全体がデリケートな金箔で飾られているかのように感じます。そのかしこまった美的感覚は、この街の老舗ホテルにも共通して見られる要素であり、あっさりとしたデザインがクールなここ、「ザ・ゲストハウス（The Guesthouse）」をひと際目立つ存在にする理由にもなっています。全39室の近代的な客室＆スイートを用意したこのホテルは、その名の通り、普通のホテルとはちょっと違います。スイミングプールのような施設こそないけれど、客室ではリビングと寝室空間が別になっているほか、エスプレッソマシンや無料のボトルワインが１本だけでなく、数本置かれていたりといった調子で、ちょっと特典の付いた、広いデザイナーズマンションを訪れるような気分。

立地は、賑やかな目抜き通りケルントナー通りからほんの数ブロック離れた閑静な広場脇。ウィーン国立歌劇場をはじめ、美術館や歴史あるカフェへも徒歩で楽にアクセス。地元の人の間でも人気の「ブラッセリー＆ベーカリー（Brasserie & Bakery）」が入ったエントランスを通り抜けて、ゲストルームへ。都会的なハードウッドのフローリング、座り心地良いモダンなソファの上には額に入ったアート感覚溢れるモノクロ写真が飾られ、かわいい小さなリーディングエリアには英語の本が置かれているほか、大きな出窓からは歌劇場とシュテファン大聖堂が望めるとあって、一度腰を降ろしたらもう外に出たくなくなるかも。そして、地元のオーガニックコスメブランド「Wolfgang Lederhaas」の手作りソープや床暖房を取り込んだバスルームを覗いたら、リラックスタイムがますます楽しみになるはず。

贅沢なぐらいに家のような環境、高級アメニティ、プラス、スーツケースを中で開けるほど広々としたウォークインクローゼットまで用意されているとあれば、ほら、もうこのまま引っ越してきたくなるはず。観光は明日でいいじゃないですか。まずは例のワインボトル（無料で４本！）をひとつ開けて、窓の側に置かれたモーツアルトの伝記にでも目を通してみましょう。