ザ ランガム 上海 シンティエンディー

上海の高層ビルひしめく繁華街の、SF映画のようなスカイラインに比べると、新天地は低め建物が並ぶ村のよう。修復された石庫門（シクメン）式の伝統住宅や石畳の小道が、ブティックやお洒落なナイトクラブなどと隣り合わせになったこの近所で、ミラーガラス張りの「ザ・ランガム・上海・シンティエンディ（The Langham Shanghai Xintiandi / 上海新天地朗廷酒店）」はけばけばしく映るかもしれません。これを中国ホスピタリティ産業のマキシマリスト傾向の更なる証拠として受け止めるかどうかあなたの自由。けれど外観で諦めたら、ランガム・シンティエンディのセンス溢れるインテリアや申し分のないサービスを体験し逃してしまいます。

アトリウム空間に飾られた、高さ３階分のシャンデリアは遠慮なく豪華絢爛ですが、357室ある客室は派手さをぐっと抑えたシンプルなデザインです。中国の伝統的スタイルを超モダンにアレンジし、新鮮なほどに活き活きとした空間を実現。控えめな色味を基調にしながらも、ダークウッドや漆塗りといったマテリアルを上品にリミックスしています。もっと広めでロフトスタイルの空間もあるスイートルームはばっちりリュクスですが、モッドスタイルの家具や、都会的なデスクエリア、目を引くカーペットなど、適度なカジュアルさを取り入れることで一層快適なデザインになっています。

アジア圏のこういったレベルのホテルに宿泊し慣れている人ならきっと、“ホテルの中のホテル”的コンセプトはご存知でしょう。全５階に渡るランガム・シンティエンディのクラブフロアでは、専属スタッフが24時間体制であらゆるリクエストに対応してくれます。これだけ刺激の強い街なら、至極の時間を求めるのは当然。よりゆったりと静かなひとときを過ごしたいなら、最高級のトリートメントが充実した「チュアン・スパ（Chuan Spa）」へ足を向けましょう。とはいえ、ランガムホテルのすぐ隣は、「東洋のシャンゼリゼ」とも呼ばれる淮海路（ホワイハイルー）。いくらくつろげるラウンジや充実したバスタイムがあっても、素敵なこの周辺をゆったり散策する贅沢にはかえられません。