The Vanderbilt, Auberge Resorts Collection

誰もがみんな、モダンデザインに夢中。世の中にあふれるデザインを見ているとそんな印象を抱いてしまいがちですが、タブレットが認めるクラスのホテルにはあなたが想像する以上のものがあります。たとえば「ヴァンダービルト・グレイス（Vanderbilt）」はその一つ。金メッキ時代（アメリカの南北戦争後、史上最高の経済成長を記録した時代）を思わせるインテリアが郷愁を誘うホテルです。もとは1世紀の歴史を持つヴァンダービルト・ホールという集合住宅。ホテルにする際には、歴史的価値を最大限に尊重した改修が行われました。

歴史的価値を尊重してはいますが、何もかもが博物館の展示物のように昔と何一つ変わらない、というわけではありません。ニューポートの中心部にある静かな通りに、半ば奇跡的にはめ込まれたようなヴァンダービルト・ホールは時代にあわせて進化を遂げました。といっても、上辺だけのトレンドを追ったものではありません。趣味のいい、歴史的な魅力を失わない改修で、この場所の持つ個性を今も輝かせています。建物は昔の姿のままに残され、パブリックスペースにもかつての残り香が漂います。その一方で、客室はクラシックからコンテンポラリーまでさまざまなテイストに生まれ変わりました。必要なところは現代的なものに交換され、最新のラグジュアリーなデザインホテルにふさわしいものになっています。

歴史的なホテルではどうしても客室の狭さが問題になりますが、ヴァンダービルトではそんなことはありません。どのタイプの客室も広々としています。スイートのうちいくつかにはキッチンがあり、メゾネットになったものもあります。客室がこれだけ大きくとられているのに、その他にスパや２つのプール、フィットネスルーム、ビリヤードルーム、ガーデンテラスなど、いくつもの社交スペースがあるのには驚かされます。中でもミューズはニューイングランドでも一番評判の高いシェフ、ジョナサン・カートライトが監修するレストラン。いかにも21世紀らしいと思われるかもしれませんが、このレストランもヴァンダービルト・ホールの歴史的価値を継承しているのです。

【備考】7月〜10月の週末は4連泊以上、11月〜6月の週末は3連泊以上が条件となります。