ロテル・デュ・ラク

ロテル・ドュ・ラク（L’Hotel du Lac）という洋風な名前ながら、所在地はこれ以上ないぐらいジャパンな、滋賀県の琵琶湖畔。喧噪とは無縁の静寂の中、というセッティングこそ、伝統的な宿との共通項となっているけれど、あとは旬のラグジュアリーの真髄、と言ってもいいかもしれません。それは、畳と布団の横にフラットスクリーン・テレビが据え付けられている、ということではありません。そこにあるのは、見渡す限りを覆い尽くす現代的なデザイン、そして、無機質にならずとも見事に表現された、緻密で削ぎ落とされた美的感覚。ロビーへと足を踏み入れた瞬間、ホテルを囲む絵葉書のような風景から一転、その、ガラスの壁に囲まれた開放的な空間に軽いショックすら感じるかもしれないけれど、客室に到着する頃には全てがしっくりとくるはず。

ホテルや宿の静穏さとは、いまいち表現しづらいコンセプトであり、また、それをねつ造することも極めて難しいもの。訪れた客だけが実感できるそんな穏やかさを、ロテル・ドュ・ラクは無理することなく客室の中で実現しています。特にこだわった決め手を用意している、というわけでもありません。そこにあるのは、ソファとテーブルの距離感にまで表れた、卓逸したモダン・ホスピタリティ。各客室に専用オーディオ・ビジュアルルーム（いわゆるホームシアター）が設けられているのも魅力だけれど、もっと野趣溢れる滞在を楽しみたければ、ロフト風の隠れ部屋と斜めの天井が田舎の家屋を彷彿とさせる、別棟ヴィラスイートがおすすめ。

リゾートとは呼べないものの、館内施設もなかなか充実しています。テニスコート、プール、露天風呂で旅の疲れを癒し、雨天時には良書の揃ったライブラリーでゆったりとした時間を過ごしましょう。ホテル内レストラン「SOWER（ソウアー）」は、新鮮な地元食材を使用。食後は数百種類の焼酎を取り揃えたシックなラウンジでくつろぎのひと時を。

【アクセス】JR「米原」駅で乗り換え、JR北陸本線「近江塩津」駅へ。同駅からは無料送迎車の手配可能。