Hotel Le Germain Montreal

勢い良く進出し続けてきたモントリオールのデザインホテル軍は、今では大手チェーンホテルを街の中心地から追い出すほどの存在となりました。「ホテル・ル・ジェルマン・モントリオール（Hotel Le Germain Montreal）」はまさにその勢力の先頭に立ってきたホテル。60年代のオフィスビルを改築して建てられたこのホテルは、LAのモンドリアンホテルやニューヨークのパラマウントホテルの設計で有名な、スタルクとシュレーガーの手により、この街最初のハイコンセプトデザインホテルとして建てられました。

このちょっとしたホテル革命により、モントリオールのホテルとビューモントリオールの丸石が敷き詰められた通りでは、シックで小じんまりとしたデザインホテルが密集しています。ホテル・ル・ジェルマンは、ダウンタウンのビジネス地区にあり、街で最も素敵なデザイナーショップやブティックが並ぶサン・カトリーヌ通りの近くに位置しています。

ル・ジェルマンのインテリアは、最小限に抑えてありますが、どれも流行に敏感なものばかり。部屋はロフトスタイルで、かつて銀行だった窓からは、たくさんの光が差し込みます。暗いマホガニーの家具が白とクリーム色のバックグラウンドに際立って見え、禅の風合いをかもし出しています。また、羽布団とアヴェダのバス製品が備え付けられています。ガラス張りのバスルームはベッドから丸見えなので、面を食らってしまう人もいますが、ブラインドを下ろせば完全に個室になります。

朝食は、英・仏、両言語の新聞が用意された中二階ラウンジで。同フロアにはほかに、24時間利用可能なカプチーノバーと、ケベックシティを代表する有名レストランの姉妹店「Le Laurie Raphaël」が。こちらではケベック州の自慢所を、小皿料理を通してご堪能あれ。そしてなんと言っても嬉しいのは、自慢したくなるような美的感覚と雰囲気を兼ね備えた空間ながら、例えばロサンゼルスにありがちな、遊び好きの溜まり場にはならないよう、心配りがされているところ。洗練された時間を、このムードを大切にできる客層と共に楽しめる、というわけです。