The Ritz-Carlton Bahrain

世界規模の高級ホテルブランドがペルシャ湾岸の新興都市で展開しているプロジェクトと聞けば、たとえ皮肉屋でなくても、とんでもなく派手なものを想像するでしょう。その点、バーレーンの首都マナーマの「ザ・リッツ・カールトン・バーレーン・ホテル・アンド・スパ（The Ritz-Carlton Bahrain Hotel & Spa）」は、まるっきりド派手で型破りではないのですが、多少なりとも亜流であることは否めません。


そのあえて亜流を貫く姿勢は一目に値します。まず、新築ではなく既存のリゾートの再利用であるという点は、特筆すべきでしょう。しかも、円柱の連なる宮殿のような建物という大方の予想に反して、広々とした敷地に中層のビルと低層のヴィラを配した複合型のレイアウトになっています。


インテリアデザイナーのピエール＝イヴ・ロションによる大改造を経たインテリアは、贅沢な仕掛けを随所に施しながらもセンスよくまとめられています。また、リッツ・カールトンの高い規律を継承する客室は、シティビューのスタンダードルームから、オーシャンビューのスイートや新築の豪華ヴィラにいたるまで、最新のテクノロジーと、体が喜ぶ快適な設備をあわせ持っています。