St. Pancras Renaissance Hotel London

何十年もの間、なるがままの状態になっていたセント・パンクラス駅のグランドホテル。壮麗なゴシック様式のそのホテルを蘇らせるべく、長期に渡る大型改装を経て登場したのがここ、「セント・パンクラス・チャンバーズ・ロンドン（St Pancras Renaissance Hotel London）」です。ここを占拠していた実用一点張りの退屈なイギリス鉄道のオフィスは去り、もともとのヴィクトリア様式の客室とスイートが帰ってきました。

かつての威光を取り戻すため、惜しみなく費用が使われたのは大した問題ではありません。どちらかといえばそれは、グランドホテルの時代に終焉をもたらした効率主義への反発でしょう。いずれにしてもこの華麗な建物で一晩を過ごすだけの価値はあります。予算に余裕があれば意匠を凝らした歴史的なスタイルのチャンバースルームが、それほど潤沢ではないという場合はコンテンポラリースタイルのバーロールームがお勧めです。どのタイプの客室でも、ラグジュアリーホテルの真髄を味わうことができるでしょう。

もちろん現代のラグジュアリーホテルに必須のジムやスパ、屋内プール、使い切れないほどの会議室やビジネス向けの設備、一流のレストランも揃っています。そのうちの一つ、ギルバート・スコットはもとの建物の設計者からその名がとられたレストラン。ロンドンでもっとも有名なシェフ、マーカス・ウェアリングがオペレーションしています。セント・パンクラス・チャンバーズ・ロンドンはイギリスでも極めて上質なものの象徴であることは間違いありません。このホテルの利点の一つはユーロスターの新しい発着地、セント・パンクラス駅に直結していること。ヨーロッパからの旅行者にとってイギリスで最初の、かつ贅沢な拠点になるはずです。