Hotel Le Germain Calgary

モントリオールとトロントにある姉妹ホテルも確かにセンスが良く贅沢ではあるけれども、都心の競争相手と比較する段になると、「ホテル・ル・ジェルマン・カルガリー （Hotel Le Germain Calgary）」が抜きんでています。カルガリーはカウボーイの時代を抜けだしてからだいぶ経ちますが、文化の中心地と言っては誇張になるかもしれません。だからこそ、スタイリッシュで都会的なル・ジェルマンがこれほど印象的なのです。

ホテルは中心街のど真ん中、ナインス・アベニュー沿いに位置し、ビジネス客にとっても旅行者にとっても、地理的な条件では他を探す理由が見当たりません。仮にそうしているとすればなぜでしょう？　きっと、コンテンポラリー・デザインとモダンなブティックホテル流のおもてなしの両方に対しアレルギーを持っていて、このホテルを避けようと考えたのでしょう。（ありがたいことに、めったにない状況です。）

建物は新しく、外観だけでなく内観も人目を引くものです。共有エリアは、独創的なライティングを施したり、モザイクタイルや火山岩のような贅沢な素材をふんだんに用いることで、シックに仕上がっています。客室は幾分落ち着きがあり、抑制のきいた住居のような雰囲気が漂う中で、間仕切りなく続くバスルームが際どさを加えています。このホテルは、たとえば節水トイレやエネルギー効率のいい電球などちょっとしたことから、深井戸を掘って温水を供給したり床を温める地熱システムなど大がかりなものまで、多様な環境対策を講じています。

建物のいちばん上に、複合スパ施設があり、設備が充実したフィットネスセンターからはパノラミックな眺望を楽しめます。カルガリーが受け継ぐ放牧の遺産への敬意は、レストランCharcut Roast Houseに具現化されています。またロビーラウンジは、あっという間に人気の待ち合わせ場所の1つとなりました。