ハンサー ホテル / Hansar Hotel Bangkok

東南アジアのラグジュアリーホテルのデザイナーは堂々としたタワーに取りつかれています。基本的な建築の見地からして、「ハンサー・ホテル・バンコク（Hansar Hotel Bangkok）」にしても違いはなく、ラジャダムリ・ロードの高級な地域からぼーっと現れています。しかし比較的低めのガラスとスティールの正面を考慮にいれると、ハンサー・ホテルが単に壮大であるための華々しさとは異なるミッションであることは明らかです。高い天井のロビーへと続く1対の巨大なガラスのドアをしつらえたエントランスが、テイストを決めます。そしてきらめくクリーンな直線を駆使したロビーは、ふんだんに使われたウッドと明るい色調のタペストリーで印象がやわらげられています。



効果はやわらげていますが、十分にコンテンポラリーな鋭さが周囲の保守的なラグジュアリーホテルからハンサーを際立つ存在にしています。モダンなアメニティは94のゲストルームにすべて標準装備されていますが、i-Podドックやフラットスクリーンテレビ、フリーのWiFiは（もちろん嬉しいのですが）、無料のミニバーの特典に比べれば見劣りがするかもしれません。ハンサーでは、物事を少し違ったやり方でする意欲が徹底的に組込まれました。たとえばヴァーチャゴ・スイートのひとつに滞在したなら、片持ち梁のベッドからバンコクのユニークな眺めを堪能できることでしょう。



レストランはパブリックスペースを特徴づける、開放的なガラスの壁を効果的に使っています。風変わりな高椅子で揃えたダイニングルーム「Eva」ではブルゴーニュやボルドーのワインと一緒に伝統的なプロバンス料理を供しています。「Cafe Boca」は軽食をサーブし、「Vue」は高級なロビー・バーの概念をアウトドアのカクテルラウンジへと押し広げています。これらすべて、そしてBTSスカイトレインの駅までわずか１分のロケーションであることも、このホテルから去りがたくさせるのです。