La Lancha

映画の3部作の完成には、計画、調査、開発に膨大な月日がかかるのはもちろん、その過程でさまざまな難題をいくつも乗り越えなくてはならず、それはまさにライフワークと言えます。しかしこれはホテルでも同じこと。数え切れないほどの映画作品（とワイン）を世に送り出したフランシス・フォード・コッポラ監督は、自身が中米で展開するエコホテルの第3弾として、「ラ・ランチャ（La Lancha）」を、グァテマラのティカルに近いペテン・イツァ湖のほとりにオープンしました。


ベリーズにあるブランカノウ・ロッジとタートル・インに続く「3部作」の完結版、ラ・ランチャは、前の2つのホテルと同じ「テーマ」を抱えています。すなわち、みずみずしい熱帯雨林に囲まれた立地、環境への配慮、そしてマヤ文明の遺跡（ここの場合は世界遺産のティカル遺跡）に近い点で共通しているのです。


しかし「作品」としての仕上がりは異なっていて、姉妹ホテルよりも野性的で素朴な趣です。客室は、湖の見える部屋を含めて10室あり、共用のテラスが付いています。豪華さよりも自然環境を楽しむことに重点を置き、目の前に迫る熱帯雨林と、ペテン・イツァ湖とティカル遺跡というスペクタクルな要素が、このホテルで過ごす時間をいっそう充実させてくれます。その上、グァテマラの郷土料理とイタリア風のピザ、そしてコッポラ自慢のワインも楽しめます。