Hermitage Bay

のどかなカリビアン・バケーションに欠かせないのが、緑のジャングル、白砂のビーチ、そしてまばゆく光る青い海。贅沢なヴィラやプライベートプール、あるいはグルメな食事まで求めるのは高望みかもしれませんが、「エルミタージュ・ベイ（Hermitage Bay）」はまさに、そうした決して瑣末とはいえない要素を持っています。だからこそ、カリブ海の東に位置するアンティグア島きっての一流リゾートホテルに数えられているのです。


小国アンティグア・バーブーダの首都セント・ジョンズと空港から車で30分のところに、誰にも邪魔されない孤独で静かな時間を過ごすことのできる、25棟のコテージがあります。建物は、人工物のまったくない、崇高な気配すら漂う砂浜と、そこに向かって下るなだらかな丘のあちこちに隠れていて、その間を小道がつないでいます。歩くのがちょっと億劫なときには、バギーで移動することも可能です。


究極のリラクゼーションはこの宿の十八番。コテージには専属のハウスキーパーが控え、ビーチにはさまざまな用事をこなしてくれるスタッフが常駐し、疲れた心と体を癒してくれるスパが目と鼻の先にあれば、何か難しいことを考えたり余計な気遣いしたりする暇などまったくありません。


コテージは、荘園風のよろい戸や木造のベランダなど、この島の植民地だった歴史の名残を取り入れた建物。内部は、白いリネンとダークウッドの家具が清潔感を与える、現代的かつエレガントなインテリアでまとめ、DVDや薄型テレビ、無線インターネット、iPod対応ステレオなど、現代人に不可欠な仕掛けも完備しています。大きすぎるほどのバスタブと屋外シャワーというセッティングのおかげで、バスタイムでさえ思い出の1ページになりそう。ウッドデッキの向こうは邪魔者のない絵葉書のような眺めが広がり、その中を時おり鮮やかな羽の鳥たちが横切っていきます。


リゾートライフの中心は何と言ってもビーチですが、潮騒を枕に寝転がってばかりいるのに飽きてしまったら、ホテル近くの洞窟を探検したり、カヤックで入り江を散策したり。大切な人とふたりきりになりたいなら、地産の食材で作ったおいしい食事と飲み物をピクニックボックスに詰めて、誰もいない渚へボートで出かけましょう。


ホテルから車で10分のジョリー港（Jolly Harbour）付近にはお店やレストランがありますが、たいていの用事はホテル内で済んでしまうので、完璧な逃避行を決め込むことができます。エルミタージュ・ベイの最大の魅力は、外世界から遠く離れていること。給料をはたくに値する地上の楽園はどこもそうですが、ここで最も辛いのはチェックアウトの日が必ずやってくることでしょう。