Chateau Monfort

シャトー・モンフォール（Château Monfort）とは、これまた、これでもかと言わんばかりにフレンチな名前ですが、ミラノ中心地の外れに立つこのホテルは、おとぎ話に出てくるような典型的なお城とはちょっと違います。正確に言えば、典型的なミラノのデザイナーズホテルとも違います。いえ、典型という言葉自体、そもそもこのホテルには無縁かもしれません。基盤となったクラシカルなフレンチの感性に、ちょっと奇天烈なポストモダン感覚のフィルターにかけた、と言ったらいいでしょうか。その結果生まれたシャトー・モンフォールは、ミラノの高級デザインによく見られる、厳粛な雰囲気やお高い風のシリアスさとはかけ離れた、独特なスタイリッシュさが光るホテルです。

公共スペースは舞台のような、映画のセットのような、雰囲気あるドラマチックな空間で、高級デザインホテルをあっさりとつまらないものに変えてしまいがちな、無機質でドライな要素はまったく見つかりません。こういったデザインに凝った公共スペースを持つホテルでは、大概、客室やスイートルームに関しては控えめになるものですが、シャトー・モンフォールはそこでさらにパワーアップ。モダンなスタイルとクラシカルな要素を、ユニークな色合わせでミックスしたそのインテリアは、まるで“ルイ21世”とでも表現したくなるところ（ですが、ホテルはこれを“ネオ・ロマンス様式”と呼んでいます）。

どちらにしても、チェックアウトした後も、しばらく思い出に残る滞在が楽しめること間違いなし。心に残る個性と五つ星級のサービス。それ以上に私たちが求めるものはそうそうありません。館内にはフルサービスメニューを揃えたスパ、モダンなイタリアン・レストランとワインバーが揃っていて、世界屈指の高級ショッピング街からもほんの数分とあれば、文句なんてなにもないでしょう。