Bellevue Hotel & Spa

コーニュはアルプスのリゾートとしては静かで落ち着いています。この街はスイス国境にほど近く、ピエモンテのワイン産地へのアクセスも容易ながら、アオスタ渓谷の中でも静かで比較的未開発な一角、イタリアで最初に指定された国立公園グラン・パラディーゾの端に位置します。つまり、シーズン毎に新しいブティックホテルがオープンするような場所ではありません。ベルビューホテル&スパ（Bellevue Hotel & Spa Cogne）は90年前から続く家族経営のホテル。国立公園の設立直後、この地域に近代的スキーリゾートという概念すらなかった時代に創業しました。

そのタイミングは完璧でした。ホテルが建設された翌年の1926年、イタリアではこの地域でのすべての新規建設を禁止する法律が可決されたのです。こうして、今でもベルビューは、グランパラディーゾ氷河の雄大な絶景を望む山麓、サントルソの緑ゆたかな牧草地に唯一、悠然と建っています。

４世代にわたって家族が築き上げてきた歴史ある壮麗さは、長年にわたって常にアップデートされてきました。36の客室とスイートは、木と石造りの床、アンティーク家具、おじいさんの時計、雪を頂いた山々を見渡せる窓を縁取る花柄のカーテンなど、どれも居心地の良い空間。多くの客室は四柱式ベッドやバスタブを備え、プライベートバルコン付きの部屋もあります。新たに加わったエンジェルス ネスト スイートでは、広いピクチャーウィンドウから周囲の景色を一望でき、屋内外のバスタブ付きのパティオまで備えています。３棟の独立型シャレーはほぼ全体が木のしつらえで、暖炉によって部屋を温めるなど、より素朴な雰囲気に包まれています。

客室はさておき、ベルビューの古き良き時代の魅力が輝いているのは、洗練を極めた印象的なパブリックスペース。ミシュランの星を獲得したレストラン「the Bellevue」のほか、ブラッスリー、天候がゆるせばランチタイムには、アルプスの酪農場を改装した「Bar à Fromage」のテラス席がオープンします。夏季にはアルペンヒュッテ「La Maison à l’Alpage」までハイキングをして、週に一度行なわれる屋外バーベキューも楽しむのもいいですね。

天候に関わらずいつでも楽しめるのが、２つある屋内プール（ひとつは大人専用）や、地元のはちみつやミルク、ワイン、またはフィレンツェの老舗香水店プロフーモ サンタマリア ノヴェッラのオーガニックな製品を使ったスパ・トリートメント。細やかな気配りが積み重ねられているべルビューホテルを特徴は、まさにクラシックラグジュアリーです。