ダブリュー 台北 / W Taipei

Wホテルは、ひそやかに街に忍び込み、闇にまぎれて開業するようなホテルチェーンではありません。控えめな登場は、Wのやり方ではないのです。ですから新しいWのオープンはいつも大イベントです。「ダブリュー・台北（W Taipei）」はそんな期待に背きませんでした。ビジネス街である信義地区にそびえたつ31階建てで、フレームにぴったり収めたように台北101タワーを眺めることができます。さらに、これぞパブリックアートと呼べるものがあちこちに。壁掛け式の垂直庭園、光のインスタレーション、プールデッキのまるで異世界のような景観や彫刻などがあいまって、ありきたりのラグジュアリーホテルにはない、スペクタクルのような体験をさせてくれるのです。

400ある客室は共有スペースに比べればやや抑えめではありますが、それでも知覚に十分な満足を与えてくれます。ウッドパネルやモダンなチェアが温かみのあるどこかレトロなムードを醸し出し、Wのシグネチャーカラーがアクセントに。またコンテンポラリーなアートワークを取り入れることで、生き生きとした雰囲気が生まれています。ビジュアルスタイルのために快適さが犠牲になることは、いかなる点でもありません。独立型のバスタブと同様、42インチのテレビを標準装備。またWが誇るオリジナルベッドはいつもながらにとびきりのものです。

フィットネスセンターとスパコンプレックスは大都市のヘルスクラブに匹敵する規模。オープンエアのプールデッキは、どこか遠く離れたリゾート地から運んできたかのようです。イベントスペース、3つあるスタイリッシュなレストラン、ビーチバーが加わって、Wホテルはまさにシティ・イン・シティのようなもの。いつも活気に包まれています。壁の花でいてはいけません。