The Maritime Hotel

米国海洋労働組合（National Maritime Union）の本部ビルとして1966年に建造されたこの建物。ホテル名はもちろんそれが由縁となっていて、デザインテーマも海洋と船をインスピレーションにしています。今ではホテルそのものの魅力に加え、ミートパッキング地区のすぐそばというその便利なロケーションから、流行に敏感なニューヨーカーの集まる場所となっています。

どう見ても、ここは伝統的なホテルではありません。客室はどれも西向きで、1.5メートルの舷窓からはハドソン川とニュージャージーを見渡せます。客室はコンパクトですが、必要なもの（＝クローゼット、ワークデスク、フラットスクリーンテレビ）はすべてすっきり収まっています。もちろん無線LANによるインターネット接続は・・・場所を取るものでもありません。ちょっとキッチュな内装も、見事に板張りされた船室だと考えれば、これもまた魅力的ではないでしょうか。

モデルや俳優が集まり賑わうロビーラウンジや、930㎡近い広さのテラス席を持つイタリアンレストラン「ラ・ボッテガ（La Bottega）」など、パブリックスペースが楽しいこのホテル。これほどの屋外スペースを持つホテルはこの街にとって貴重な存在です。2013年夏が終わる頃には地階の巨大なスペースの中にミッドタウンの人気アジアン・ビストロ「タオ（Tao）」がオープンするのだとか。

ここは、デザインホテルでもなく高級ホテルでもない、その中間に位置するホテル。ヒップなホテルだけれど、ほかよりも少しサービスの質が高く、ニューヨークの夜遊び中心地にあるため、人気は抜群。ひとつ注意するなら、ここの客室はどれもクイーンベッド１つしか置かれていないということ。ツインベッドが必要な方はほかを探さなければなりません。でも、一人旅あるいは同行者と一緒のベッドでも問題なければ、温かみとかっこよさをバランスよく兼ねた素晴らしいホテルです。