The Prince

メルボルンのセント・キルダ地区。かつてはここも荒れ果てた一角でしたが、今ではすっかり話題性の高いお洒落な土地となりました。そこにあるユニークで小さなホテルはその名も「ザ・プリンス（The Prince）」。改築前は「ザ・プリンス・オブ・ウェールズ（The Prince of Wales）」という名前だったそうですが、正直、チャールズ皇太子より、彼の息子たちの方が現代的で魅力的なのは確かでしょう。

そう、ですから、ただのザ・プリンスなのです。自然の光が差し込むバスルーム、濃い茶色の家具と通常よりも鮮やかな白色で塗られた壁でつつまれた、ステキで上品な40室の部屋からなるホテルに生まれ変わったのです。プリンスは自然に人気のあるホテルとなりました。いわゆるお洒落なホテルにありがちなイメージである、近寄り難い印象をやわらげ、どなたにも気軽にご利用いただけるようにいたしました。もっとも、本来はどのホテルでもそうあるべきなのですが・・・。

でも、誤解は禁物。ザ・プリンスの成功は、偶然でもなんでもないのです。スタルク式バスルームをはじめ、気の利いたデザインがたっぷり溢れるこのホテル。地元出身の建築家アラン・パウエル（Alan Powell）の指揮によって、近年注目を集めるようになったこのエリアにもさり気なく、けれど確実に溶け込む存在になっています。レストラン「Cira」と、ベーカリー＆カフェ「Il Fornaio」は、こじんまりしたホテルにはめずらしく、良質で種類豊富なメニューを取り揃えています。また、ワインショップやスパがあるのもポイント。さらにホテル内の音楽スポット（！）「Prince Band Room」は、世界的に知られるロック・アーティストやDJもパフォーマンスに訪れ、今では、メルボルンで最もお洒落なライブハウスのひとつとして知られるようになっています。

メルボルンの町並み同様に、意外な驚きでいっぱいのこのホテル。世の中には見た目のクールさだけで満足している“お洒落な”ホテルもありますが、ザ・プリンスは外面だけでなく、内容と中身の充実さでお客様をもてなすことに誇りを持っている一軒です。

アクセス：メルボルン空港より車で約40分。空港からのスカイバス（SkyBus）は10分おきに運行しています。