Cour des Loges

イタリア・ルネッサンス様式の屋敷を4軒組み合わせた「ホテル・クール・デ・ロジュ（Hotel Cour des Loges）」は、モダンデザインと旧世界の美が見事に溶け合った特別な空間です。ジャン‐ルイとジョスリーヌ・シブーは、最も古いもので14世紀築の建物を今風にアレンジして見事な建築物を生み出しました。アーチに囲まれた中庭のロビーだけでも、わざわざ訪れる価値があります。4つの建物は吹き抜けの中庭を軸にひとつにまとまっていて、見上げると各階のアーチと石造りの回廊が美しい迷路のようにも見えます。

客室は、アンティークの手彫りのヘッドボードとフィリップ・スタルクのバスルームが共存する折衷主義的なスタイルです。それぞれ異なる趣で、上質なファブリック、デザイン家具、トスカーナのアンティーク調度、時代物のアート作品を含めたあらゆるディテールが見事に調和しつつ、ひとつの空間を作り上げています。寄木細工のフローリングとアンティークの衣装ダンス、梁が剥き出しの天井、深いワインレッドとクールな青の組み合わせに、豊かなルネッサンスの香りが漂います。

暖炉あるいは庭付きの客室もあり、またデラックススイートの壁には歴史を描いた壁画が飾られています。一方、設備は現代的で、屋内プールとサウナは24時間営業です。滞在中に仕事をしなければならない不運な宿泊客のためにも、通信機能は最新です。ホテル内の宴会・会議場は充実した設備内容になっています。

ホテル内には一流レストラン「Les Loges」があります。ただし、レストランはこの1箇所だけなので、多かれ少なかれ街のレストランを訪ね歩くことになるでしょう。ここは世界有数の食の街リヨンですから、見つからないものはないはず。ホテルのレストランはこの街でも一流とみなされていますが、食の追及に余念がないグルメなら、街のレストランも試さないわけにはいかないはずです。

ルネッサンスの歴史と現代的なデザインと機能を融合したCour des Logesは、真に驚くべきホテルです。ヴュー・リヨン（リヨン旧市街）という場所自体も魅力的なのに、そこへ、赤いタイル屋根の古い屋敷を隠れ蓑にした現代的なラグジュアリーホテルとくれば、旅人にはたまらなく魅力的でしょう。