St Martins Lane Hotel

「セント・マーティンズ・レーン・ホテル（St Martins Lane Hotel）」は、イアン・シュレーガーとフィリップ・スタルクがイギリスで初めて共同で手がけたホテル。両者はここを皮切りに、コヴェント・ガーデンやソーホーのセンダーソンなどを次々と展開していきました。このホテルは「アーバンリゾート」をコンセプトにしており、建物の内部へ一歩足を踏み入れるとそこはまさに別世界。金歯のイス、等身大のチェスの駒、裸電球など意表を突く小道具が広々とした空間に散在しています。スタルクのトレードマークである不遜さは新鮮味を失いつつありますが、それでもイギリスの都会的なカントリーハウスとは対照的な、確固たる世界を形成しています。

客室はロフトスタイルで開放的です。カスタムデザインの照明システムになっていて、ヘッドボードの背面のプロジェクターで光を操り、大きな白い壁を光の絵の具で思いのままに染めることができます。壁一面のピクチャーウインドウにはロンドンの中心部の印象的な風景が映ります。ジョージ王朝時代の建物ではなく、60年代のオフィスビルを改築したこのホテルならではの眺めでしょう。ロフトふうの建物の例にもれず、角部屋は採光が最も良い場所です。また「ガーデンルーム」というと、暗に眺めが良くない部屋を指していることが多いのですが、このホテルのガーデンルームは、プランターの草花が清々しい屋外パティオが付いています。

シックで人気のレストランがなければ、モーガン・ホテル・グループの一員とは言えません。このホテルには、すでに人気を博している「Asia de Cuba」があります。スタルクがデザインしたバーも2箇所あり、旅行客や地元の人々で賑わっています。一方、姉妹ホテルのセンダーソンにはスパがありますが、ここにはありません。しかしここはショッピング天国。要は、コヴェント・ガーデンを選ぶか、それともソーホーにするかということでしょう。
アクセス：レスター・スクエア駅から徒歩3分。ヒースロー空港からヒースロー・エクスプレスでパディントン駅まで約15分（片道18ポンド、往復32ポンド）。タクシーをご利用の場合、空港から約45分（約50ポンド）。