99 ボンハム / Bonham

スカイラインも食べ物も文化様式も、すべてが雑多な香港では、ホテルも、植民地時代の面影を残す華麗なものからポストモダンな前衛的デザインのものまで、ちょっと目眩がするほど多種多様。だからこそ、「99 ボンハム（99 Bonham）」のような、下手なからくりなしにもしっかり個性を放つスタイリッシュな近代ホテルが、気になったりもするのです。

活気溢れる上環（ションワン）地区を行き交う細い路地からすくっと延びた、細身のガラスのタワーがこのホテル。足を踏み入れずとも、中からは素晴らしい景色が望めることは簡単に想像がつきます。（ご期待どおり）ガラスの壁と、柔らかいグレー系色、そして光沢感のある素材が、自然光を最大限に引き立てた客室は、インダストリアル・デザインの洗練された雰囲気と共に、モダンなアパートの温かみを感じさせます。

これはまさに上環地区にぴったりなスタイル。その昔は人も寄り付かなかったこの辺りも、いつしか注目のエリアとなり、今では個性的なレストランやクールなカクテルバー、お洒落なブティックやギャラリーが集まる、すっかり人気の地区に変身を遂げました。しかも中環地区に隣接しているため、近代になって開発が進んだエリアにしては珍しく、世界屈指の金融センターおよび観光エリアへのアクセスも、とっても便利。しばらく前、ご存知「The Wall Street Journal」紙が“香港のヒップスターの遊び場”として紹介したエリア、と書けば、もう少し臨場感が湧くでしょうか。

ボンハムは、アパートメント・スタイルのホテルということで、レストランやバーといった、ホテルの定番施設には欠けていますが、各スイートにはダイニングエリア、冷蔵庫、本クリスタル製のグラスやお皿も揃っているので、いつもよりちょっと独立精神があれば、平常通りスタイリッシュな滞在ができることは間違いなし。客室にはそのほか、フレッテ社のベッドリネン、羽布団、大理石のバスルームと、定番の高級アメニティが整っています。ちょっと前だったら、「中環にほど近いインディペンデント・トラベラー向けのオアシス」、というキャッチフレーズの方が似合ったかもしれませんが、今では、「上環のお洒落なホームベース」とした方が納得でしょう。

アクセス：エアポート・エクスプレス（機場快線、AEL）で香港駅〜中環駅へ。駅からホテルまではタクシーで10分。空港からホテルまでの直接送迎は片道800HKD。