The Ritz-Carlton Half Moon Bay

サンフランシスコから高速道路1号線で美しい景色の中をドライブすること1時間、ハーフムーンベイの町はまるで別世界のよう。サンタクルス山脈と太平洋に挟まれた、一昔前の素朴でのんびりした雰囲気が漂うこの田舎町には、西海岸有数の絶景が広がっています。

もちろん、「ザ・リッツカールトン・ハーフムーンベイ（The Ritz-Carlton Half Moon Bay）」は牧歌的な農園ホテルではありません。しかしこの場所に実際にやって来れば、つややかに光る壁や真新しい匂いなどは取るに足らないことに思えてきます。太平洋に突き出した崖の上に建つこのホテルは、19世紀の海の別荘を模したシングル葺きの屋根が特徴的。その背後に広がるごつごつした崖とゴルフコースの緑とあいまって、イングランドやスコットランドを思わせる佇まいです。

客室はイギリスやポルトガルの香りが漂う古風な装いで、羽根布団や大きなバスルームが瑞々しく快適なホテルライフを約束してくれます。客室の6割以上が海に面していて、バルコニー付きの部屋もあります。多くの部屋が暖炉を完備しているので海霧の立ち込める寒い日には重宝するでしょう。

ここには2つの一流ゴルフコースがあります。いずれも選手権の会場となるような優れたコースで、それを目当てに多くのゴルファーが訪れます。ひとつはアーノルド・パーマーが原型を手がけた「オールドコース」。そしてもうひとつはスコットランドの偉大なコースをモデルにした「オーシャンコース」で、曇り空の下や霧の中では本当にスコットランドでプレーしているような錯覚を覚えます。どのホールからも見える美しい海は、太陽の位置が高いことに気付かなければ、太平洋ではなく北海と思い込んでしまうかもしれません。

ゴルフに興味がないなら、約450坪の広々としたスパへどうぞ。ろうそくが灯る男女混浴のローマ風呂や、海に面したジャグジーなどがあります。また料理もがっかりすることはありません。メインダイニング「Navio」やよりカジュアルな「Conservatory」は、その名を他の町にも轟かせる評判のレストランです。一方、サロンで供されるアフタヌーンティーはイギリスの香りがたっぷり。まったく、山の向こうがシリコンバレーだなんて嘘みたいです。