Hotel Savoy Florence

フィレンツェ中央のレピュブリカ広場に面した「ホテル・サヴォイ（Hotel Savoy）」。その重厚なファサードから、アーチ型の天井や古くて重いカーテンなど、時代がかったインテリアを想像する人もいるでしょう。数年前までなら、その想像は当たっていました。しかしロッコ・フォルテ傘下となった今、全面的に改修され美しく生まれ変わったのです。

全面改修のせいで、アンティークマニアや、中世を舞台にした映画の撮影が目的だった宿泊客はがっかりするかもしれませんが、フォルテと妹のオルガ・ポリッツィが開拓したモダンでクラシカルなイタリア最高峰のブランドには、誰もがうっとりすることでしょう。旧世界のやや凝りすぎた装飾と、デザイン雑誌から抜け出たようなミニマリズムを明確に分けることで、コンテンポラリーなフォルムとモダンな機能が快適に共存する、シックで居心地のよい空間を作り出しています。

ここはある意味、中世と現代を同時に楽しめるホテルです。街の中心にあるため、ドゥオモやウフィツィ美術館、ポンテ・ヴェッキオへは歩いてすぐ。また、すっきりとモダンな客室からは、ドゥオモのクーポラ（半円球状の円蓋）や共和国広場を眺めることができます。
ところで、このホテルはファッションリーダーたちにも愛されています。その理由は、フィレンツェの主だったデザイナーのメゾンに非常に近いということもありますが、究極的なオーナーがフェラガモ一族であるからです。ホテルのいたるところに顔を出す靴のイメージは、そのせいかもしれません。