Algodon Mansion

最先端を気取ったデザインホテルが雨後のタケノコのごとく登場しているパレルモ地区を見ていると、ブエノスアイレスにはほかにも素敵なエリアがたくさんあるということも、うっかり忘れてしまいそう。でも、ほんの少し東にあるレコレータ地区は、ベル・エポックの香りを漂わせる立派な建築物（「アルゴドン・マンション（Algodon Mansion）」もそのひとつ）が並ぶ、由緒ある住宅街。この街並こそ、ブエノスアイレスが「南米のパリ」と呼ばれる理由のひとつでもあるのです。もう少しわかりやすい例え方をすると、パレルモがロンドンの流行発信地クラーケンウェルならば、レコレータは高級感漂う閑静なベルグラビアまたはナイツブリッジ。ニューヨークに例えるなら、パレルモはソーホー、レコレータはアッパー・イーストサイドでしょうか。

ホテルにとって立地条件は生死に関わる重要ポイント。ワイン生産地メンドーサ州にある「アルゴドン・ワイン・エステート（Algodon Wine Estate）」の都市版ともいうべきこのホテル。オープンして間もないながら、このエリアのリュクスな環境に溶け込むその趣で、早くもレコレータになくてはならない存在と化しています。わずか10室のみの客室はオールスイートで、すべてデザインが異なります。リラックスした雰囲気の中、スタイリッシュなモダンコンフォート感が秀逸。そこに刺激的でちょっとすました表情が溶け合い、まるで上質なレジデンスのよう。典型的なホテルの客室とは一線を画しています。最もベーシックなスイートでもバトラーサービスを備え、ラグジュアリーな滞在を堪能。パーソナルシェフ付きの最上級スイートは、おそらく街一番の豪華さでしょう。

メンドーサ風料理と厳選されたアルゼンチン・ワインが自慢の「The Algodon Club」はこのホテルの看板レストラン。また、バーではメンドーサにあるアルゴドン・ワイン農園で生産されたワインが楽しめます。けれど、このホテルの一番の見所となっている公共空間は、なんと言っても屋上でしょう。ブエノスアイレスでは屋上ラウンジはまだまだ珍しい存在ですが、ここでは高級葉巻とコニャックを取り揃えた屋外シガーバー「Davidoff Lounge」があなたの訪れを待っています。

アクセス：エセイサ国際空港から48.5キロ（車で約1時間）、ホルヘ・ニューベリー空港から6.4キロ（車で約15分）です。エセイサ空港からは片道US$100、ニューベリー空港からは片道US$60でホテル送迎サービスあり。