Travel 2 分 2022年11月30日

中央線沿線-インスペクターお気に入りのビブグルマン-

明治5年の鉄道開業から150周年。メモリアルイヤーを記念して、人と文化が行き交う中央線エリア(中野-西荻窪間)のミシュランガイド掲載店をご紹介します。気になる店を見つけたら、オレンジ色の電車に揺られて出かけませんか?

Tokyo Michelin Guide Asia Bib Gourmand

皆さんは中央線と聞いて何を想像しますか?かつては井伏鱒二、太宰治、中原中也などの名だたる文豪が集った街。昭和な横丁から味のある個性豊かな飲食店が揃います。ライブハウスや小劇場、古着やアンティーク雑貨の店を連想する方もいるでしょう。文化人、芸人、ミュージシャンに好まれる沿線には独自の文化が生まれ、都会らしい賑わいと、郊外らしいゆとりが地元民に親しまれています。

各駅周辺は商店街が盛んなことから街歩きも人気です。今回は中央線の駅でも西荻窪から中野までのレストランをご紹介。仲間と語らう店、一人でも気軽に入れる店をチェックし、切符を買っていざ出発!


西荻窪

東京23区において最西端の駅。骨董店や古本屋のレトロな趣と、小粋なレストランやパティスリーのモダンさが解け合う。駅から足をのばして、善福寺公園の自然や水辺に癒されるのもいいだろう。

とんかつ けい太/とんかつ

南口駅前の雑居ビルに位置。肉厚なとんかつは、低温でじっくりと火入れをし、最後に高温で仕上げたもの。鹿児島産の黒豚はきめ細やかで歯切れが良い。醤油や山葵で味わうのが新鮮。


Photo left : © Tonkatsu Keita
Photo left : © Tonkatsu Keita

麺尊 RAGE/ラーメン

看板は醤油ダレの利いた「軍鶏そば」。木の温もりを感じる待合スペース、店内に飾られるロックバンドのポスターやグラフィック。西荻窪らしいアーティスティックな雰囲気に包まれている。

仙の孫/中国料理

漢方や香辛料の効いた中国料理は「医食同源」に基づく。店主は産直の魚介や、故郷である大分から取り寄せた野菜を扱う。仲間と料理をシェアしながら、和やかなひと時を過ごしたい。

佐々木製麺所/ラーメン

主人は西荻窪を愛し、食材は近隣の店から調達。どこか懐かしく素朴なラーメンにほっとする。駅から離れた立地は、雑貨店やパン屋を巡りながら散策するのが楽しい。

Photo © Sasaki Seimensho
Photo © Sasaki Seimensho

荻窪

古くは「西の鎌倉、東の荻窪」と名を馳せた別荘地として知られ、その面影を残す住宅街が広がる。文芸家の与謝野寛・晶子夫妻の住居地、音楽評論家の大田黒元雄の屋敷跡が公園として残っている。

トマト/カレー

1982年に洋食屋として創業。名物は36種類もの香辛料を利かせた欧風カレー。レトロなランプに包まれ、マダムの和やかな接客に心が落ち着く。開店前から列を成すゆえお早めに。

すぱいす/カレー

小麦粉不使用のインドカレーがベース。さらりとした触感に、魚醤、醤油、だしなど和風の味付けで独自性を出す。棚に並ぶ数々のスパイス瓶が店名を物語る。

Photo right : © Spice
Photo right : © Spice

阿佐ヶ谷

中杉通りのケヤキ並木が印象的。荻窪同様に、中央線沿いに住んでいた文人達が集まり、交流を深めていた。昔から商店街では七夕祭りやジャズのイベントが行われ、地域の文化を今に受け継ぐ。

餃子坊 豚八戒/餃子

古民家に灯るランプが目印。名物の「華餃子」は、まさに華やか。焼き餃子が花弁をかたどり、羽根が一面を覆い尽くす。そのほかの餃子もにんにくは使わず、蒸し、茹でも揃う。人気店ゆえ予約をして訪れたい。


中野

新宿から中央線で一駅と利便性が高い。駅周辺は商店街や商業施設で賑わう。残念ながら取壊しが決まったが、音楽ファンから長く愛されるコンサートホールは中野のシンボル。サブカルチャーの発信地としても名高い。中野四季の森公園には大学もあり、学生や家族連れの憩いの場になっている。

なかの中華 ! Sai/中国料理

シェフは宮崎や長崎から届く魚介に力を入れている。名物は鮮魚の姿蒸し。手作り点心も人気。駅から離れているので、街歩きを楽しみながら店へ向かうのもいいだろう。

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Hero Image : MAHATHIR MOHD YASIN / Shutterstock

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